実践指定校実践例 2013年度

ひょうご新聞感想文コンクールとそれに関する取り組み

神戸市立有野北中学校(こうべしりつありのきたちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 総合学習
学年 中学 2年
総合的な学習
感想文を書くことで新聞記事に親しむ。また、他者の作品を見ることにより、さまざまな視点で事象を捉える力を養う。
感想文の題材となる記事を自由に選ぶ場面
新聞活用学習

(1)オリエンテーション 社会科授業1時間と学年集会
(2)コンクール出品と文化発表会での展示

中学2年社会科(1時間)と各行事

(1)オリエンテーション 夏休み前の社会科の授業や集会などで新聞コンクールについて説明する。
(2)作品づくり 夏休みの課題として作文する。こちらが定めた複数日で、学校において新聞記事の提供やアドバイスなどを行う。
(3)作品の提出 夏休み終盤の学年登校日に作品を提出し、コンクールに出品する。この際、優秀作品をコンピュータにデータとしてスキャンし、すべての作文をコピーしておく。
(4)文化発表会の社会科展示において作品を発表する。もとになった新聞記事を写真があるものはそれも含めて拡大印刷し、生徒の感想文と共にパネル展示を行う。
(5)授業で文化発表会の展示を振り返り、同じ出来事に対しても、いろいろな記事と感想が存在することを確認する。

コンクールによっては、取り上げてよい新聞に制約がある場合もある。
また、新聞を購読していない家庭の生徒に対して、学校からどのように新聞記事を提供するのかを考え、必要ならばバックナンバーをまとめて保存しておく必要がある。

感想文を書くために、初めてまともに新聞を読んだという生徒も何人かいた。ある程度の感想文を書くためには必然的に記事を読み込む必要性があり、記事中のわからない語句や内容について調べたり、教師に質問するなどの積極的な行動が多く見られた。また、文化発表会の展示では、迫力のある写真記事を拡大して展示し、それに感動する生徒や、記事の構成に興味を持つ生徒もいた。

成果は、やはり生徒が新聞に真剣に接する良い機会となったことである。外部のコンクールへの出品ということもあり、モチベーションの高い生徒や、作品の完成度にこだわる生徒が多かった。惜しくも、上位入賞はでなかったものの、校内で優秀作品を大きく展示したり、独自に表彰するなどを行い、次年度へのステップにできている部分が大きい。
課題は、生徒がどれだけ他者の選んだ記事と感想文を読み比べる機会を設けることができるかどうかということである。コンクールの出品締め切り期間という制約もあり、生徒による校内代表作品の決定などは難しいが、今後はコンクールとは別途に校内で優秀作を選ぶ、取り組みを行うことで、より有効な新聞活用学習となるのではないかと考えられる。

実践者名:神戸市立有野北中学校 佐々木隆光