実践指定校実践例 2013年度

「定点観測」ひとつの事件を新聞記事で追いかけ知り予想する

兵庫県立伊丹高等学校(ひょうごけんりついたみこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 総合学習 、特別活動 、キャリア教育・進路指導
学年 高校(高等専門学校を含む) 1年 、2年 、3年
新聞記事を利用し、ひとつの事件を追いかけ、内容を理解し予想する
自分で興味のある事件(テーマ)を決め、新聞記事で追いかけ、内容を理解し、今後を予想する。
複数の新聞から一つの事件(テーマ)に対して多くの記事、多くの見解を集めていく。
新聞制作学習 新聞活用学習

4~9月までは総合的な学習の時間などを利用して、コラムや社説などを中心に新聞に親しむ機会を増やす。10月に入り、今回の内容の説明を広報委員会で行い、自分で決めた事件(テーマ)の新聞記事を集め、1月に壁新聞の作成をする。

10月~1月

【実践の内容】
広報委員1・2年各8クラス 計16クラス32人で実施
〈10月末〉
各クラス広報委員2名で自分たちのテーマを決める。ジャンルは基本的に自由。国際・医療・経済・スポーツ・政治・芸能・教育など。
〈10月〜1月〉
自分たちの選んだテーマに関する新聞記事を集める。枚数は自由。専用の用紙に貼り、広報委員会責任者まで随時提出。
〈1月〉壁新聞の作成
新聞記事の掲載は3〜4枚(序論・本論・結論を意識する。)
「事件の起こりと現在の様子、今後の予想、調べてみての感想」などを、見る人の視点を意識して記入し、見出しやレイアウトを工夫する。
〈2月〉各学年廊下に掲示  計16枚
各クラスのテーマは、「アベノミクスとTPP」「オリンピック」「食の安全性」「韓国・中国との領土問題」「秘密保護法」「ネルソンマンデラ」「インターネット」「車の未来」「サッカー」「野球」など、この期間のトピックスが並び、バラエティに富んだものとなった。
広報委員には「テーマを選んだ理由」「テーマの説明」「新聞切り抜きのポイント」「テーマのメリットとデメリット」「テーマの問題点」「このテーマは今後どうなるか」をまとめさせた。

壁新聞作成の際に、「事件の起こりと現在の様子、今後の予想、調べてみての感想」などを、見る人の視点を意識して記入し、見出しやレイアウトを工夫する。クラスのHR役員の広報活動の一環であり、授業として特に時間をもうけてはいない。

放課後、月に1度程度で集まり、また新聞の切り抜きを随時提出させたため、部活動や他の活動への影響は少なく、生徒たちは自分の決めたテーマに意欲的に取り組むことができた。壁新聞掲示後にも改善点などを話し合うなど、作品のレイアウト、色使いなどだけでなく、言葉の使い方などにも関心を示していた。

評価として、壁新聞を①「定点観測」になっているか?(テーマについて追いかけ、その変化・結果をまとめているか)②レイアウトはどうか?の2つの観点から、先生方、広報委員で採点し順位を決めた。今回はHRの広報委員の活動の一環として、一部の生徒の活動であったが、今後は学年単位での活動に広げたい。また壁新聞の作成までで今回は終了したため、生徒の意識は当然、壁新聞の作成までで止まってしまう。生徒にプレゼンテーションまでを意識した壁新聞の作成とそのためにより充実した内容にしていくことを検討したい。

実践者名:兵庫県立伊丹高等学校 桝田安史