実践指定校実践例 2013年度

新聞記事を使った意見文の指導の実態

宮崎県立五ケ瀬中等教育学校(みやざきけんりつごかせちゅうとうきょういくがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 国語
学年 高校(高等専門学校を含む) 1年
新聞記事に関する意見文を書こう~「TPP」に対する自分の意見を書く~
自分の立場を明確にし、論理的な文章を構成する力、他者を納得させられるような文章力を身につけさせる。
週末課題として、「TPP」に関する新聞記事を集めさせておく。
新聞活用学習

1時間目新聞記事やインターネットを通して、「TPP」に関する知識を得る。2時間目「TPP」に対して「賛成」か「反対」か、自分の立場を明らかにし、200字の意見文を書く。3時間目自分たちが書いた意見文を相互評価する。班に分かれ、班ごとに話し合いをし、優れた意見文を選定する。4時間目教員と宮崎日日新聞社員の協働授業を受ける。
教員の示す意見文の評価基準を知る。宮崎日日新聞社員が評価する意見文と、自分たちが選定した意見文の評価基準の類似点、相違点について学ぶ。

4時間

(1)自分の立場を確立するために、「TPP」に関する知識を得るための調べ学習をする。
(2)「TPP」に関する意見文を書く。あえてテスト形式(200字・30分)で書かせ、書いたものをもとに、次の授業で意見文の書き方や、評価基準を学ばせる。
(3)班をつくり、クラスメイトが書いた意見文をすべて読み、班ごとに話し合い、優秀作品を決定し、発表する。
(4)教員の、意見文の評価基準についての授業を通して、自分自身の意見文を振り返りながら意見文の書き方を学ぶ。宮崎日日新聞社員の選定した優秀作品を知り、自分たちの評価基準と比べる。

生徒の文章力の実態を知るため、意見文はあえて事前指導をせず書かせる。「TPP」に関する知識をある程度持たせて書かせるため、調べ学習の時間を充実させる。

意見文はテスト形式で書かせたため、緊張感をもって臨んだ生徒が多かった。自分たちで意見文を評価するという取り組みでは、優秀作品を選ぶのに苦戦していたようだが、班での話し合いは充実していた。自分たちの意見文を新聞社員に添削してもらうという取り組みに刺激を受けた生徒が多かった。新聞記者の仕事について興味を持ち、休み時間も新聞社員に質問をしている生徒が多くいた。

成果としては「意見文を書く」という取り組みに、新聞記者との協働授業を取り入れたことで、単に意見文の書き方を知るということだけでなく、新聞の構成、新聞記者の仕事について知るなど、キャリア教育も意識した授業を行うことができたということが挙げられる。
課題としては調べ学習の時間が足りず、意見文を思うように書けなかった生徒もいたようなので、事前の調べ学習の時間や、方法など工夫をする必要があると感じた。

実践者名:宮崎県立五ケ瀬中等教育学校 村社 文