実践指定校実践例 2013年度

新聞の特徴を知って「思い出新聞」を作ろう

大津市立膳所小学校(おおつしりつぜぜしょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 国語
学年 小学 4年
新聞をつくろう
見出しの付け方やインタビューの引用の仕方、新聞記事の構成など新聞から学んだ工夫を生かして、行事や学校生活についての「思いで新聞」を書くことができる。
新聞記事を読んで見出しを自分で考えたり、見出しにつながる段落を見つけたりする家庭学習プリントを用意し、文章全体の構成の工夫を学べるようにる。
新聞制作学習 新聞活用学習

1.教科書教材「新聞をつくろう」(光村4年上)で、新聞の割り付け例などを知る。
2.新聞記事を読む家庭学習に取り組む。
      ・インタビューの引用の仕方を学ぶ宿題
      ・見出しを考える宿題
      ・見出しにつながる段落を探す宿題
      ・教科書で学習した語彙を用いて記事についての感想を書く宿題
3.学校行事や学校生活の「思いで新聞」を書く。

家庭学習の時間

新聞の特徴を知るための家庭学習

(1)インタビューの引用の工夫を知る
・漁業関係者が牡蠣の出荷が例年より遅くなった理由をインタビューに答える形で紹介されている記事を読み、出荷が遅れた原因を読み解いて記述する。→インタビューは感想紹介以外の使い方があることを学ぶ。

(2)見出しや構成の工夫を知る
・記事を読んで適切な見出しを自分なりに考え記述する。→複数の見出しをつけることで分かりやすい新聞になることを学ぶ。
・見出しにつながる段落を探す。→大事なことや伝えたいこと、結論を文章(記事)の初めのほうに書くと分かりやすいことを学ぶ。

(3)語彙や言い回しを豊かにする
・記事を読んで考えたことを記述する。→国語の教科書で学習した言葉や言い回しを使えたらチェックする欄を設けておき、記事を読んで感想を書く際に意識して使うことで定着させる。
   

家庭学習である宿題は、国語が苦手な児童であっても一人で取り組めるものでなくてはならないため、記事に出てくる未習の漢字には全て読み仮名を付けておくことが必要である。

読めない漢字や知らない言葉がまだまだたくさんある4年生なので、はじめは「新聞記事」を用いた宿題に対して「難しいもの」というイメージを抱く児童が多かった。しかし、継続的に取り組み続けることで、見出しや記事の初めの方を読めば大体が分かるという新聞を読むコツを体得できたことで、次第に抵抗は無くなっていき、テレビニュースで見聞きしたことのあるタイムリーな記事を扱った家庭学習を楽しみにするようになった。

国語科との関わりで宿題に新聞活用を取り入れたことは、書く力の向上・定着に非常に有効であった。これまでに児童が書いていた新聞は、構成にまで目を向けられていないものがほとんであったが、NIEの取り組みを通して見出しの付け方や結論の述べ方などを意識して書けるようになった。
課題としては、一学年のみの取り組みでは力を積み上げていくことができないので、全学年で取り組み、各学年の発達段階に適した取り組み方を模索し、系統性を見いだしていくことが必要であると感じた。

実践者名:大津市立膳所小学校 廣田卓也