実践指定校実践例 2013年度
好きな言葉を見つけよう
大田原市立宇田川小学校(おおたわらしりつうだかわしょうがっこう) |
教科、科目、領域 |
小学校: 総合学習 |
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学年 | 小学 1年 、2年 、3年 、4年 、5年 、6年 |
ことばの貯金箱 |
新聞を切り抜き,切り取った言葉を手掛かりにして,自分を表現したりコミュニケーションのきっかけにしたりすることができる。 |
古紙を閲覧しながら好きな言葉や写真を切り抜き,台紙に貼り付け,出来上がった作品をもとに紹介し合い,コミュニケーションを深める。 |
本実践は,平成25年7月のNIE全国大会にて白鴎大学渡辺裕子先生が紹介してくださった「ことばの貯金箱」の実践である。本実践は学年を問わず,幼児でも大人でも実践が可能である。また,使用する新聞紙は古紙でよく,準備も容易である。今回は,3学年にて実践した。実践にあたっては,2時間(90分)の時間確保が必要である。また,取り組む意欲を高めるため,貯金箱に見立てた箱(100円ショップで販売しているプラスチックケース)を用意し,切り抜きを「チャリーン」と言いながら,貯めていくことがポイントである。
2時間扱い |
<1校時>1 本時の活動を知る。(1)「ことばの意味」や「ことばの億万長者」について説明する。(2)やり方を説明する。2 「ことばの貯金箱」に取り組む。(1)言葉を見つける。好きな言葉や写真を切り取る。<2校時>(2)言葉を集める。~切り取った言葉を「ことばの貯金箱」に入れ,言葉を貯めていく。※切り抜きを貯金箱に入れる際には,元気に「チャリーン」と言い合う。(3)言葉を楽しむ。~貯めた言葉を台紙に自由に貼る。(4)言葉を紡ぐ。~必要に応じて言葉を付け加える。(5)言葉を伝え合う。~できた作品を紹介し合う。①グループで紹介し合う。②グループの代表が全体に紹介する。 |
活動内容はシンプルであるが,初めの本時の活動を知る場面のおさえを大切にしたい。そこで,ことばにはどういう意味があるか,好きな言葉をたくさん集めて「ことばの億万長者」を目指そうと呼びかけることで,活動が一層盛り上がる。 |
古紙を切り抜く作業には,とても集中して取り組んでいた。また,切り抜いた記事や写真を台紙に貼る際には,記事を取捨選択するので出来上がった作品には子どもの個性がよく表れていた。また,出来上がった作品を紹介し合う活動では,初めは戸惑う様子も見られたが,少しずつ慣れ,和やかな雰囲気の中で紹介し合うことができた。
本実践は,9月に初めて校内で実践した。NIEとしての実践であるが,活動内容が容易なものなので,子どもたちは終始意欲的に取り組むことができた。特に,出来上がった作品を見ると,「この子がこんな作品を!」と思うような作品も見られ,普段見られない一面を垣間見ることができた。そして,後日再度実践したが,子どもたちは活動に慣れた様子で,繰り返し実践することでより成果が高まることが確認できた。課題としては,出来上がった作品を紹介し合う場面が挙げられる。上手にできた児童でも,どのように紹介すればよいか戸惑う様子も見られ,紹介の仕方の型を示すなどの配慮が必要と感じた。
実践者名:大田原市立宇田川小学校 種村 武彦