実践指定校実践例 2013年度

日本国憲法について考えよう

松本市立丸ノ内中学校(まつもとしりつまるのうちちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 公民
学年 中学 3年
私たちの暮らしと民主政治
「はだしのゲン閲覧制限問題」が公共の福祉の考え方に沿っているかどうかを新聞記事などの資料を使って考える。
閲覧制限の是非の理由を調べるため,確認するために新聞記事を利用した。
新聞活用学習

(1)「はだしのゲン閲覧制限問題」に関する新聞記事を読む。
(2)制限する理由と制限を批判する理由を追究今回の事例が公共の福祉の考え方にあてはまるかどうかを考える。
(3)公共の福祉の名のもとにむやみに人権が制限されてはならないことを説明することができるように自分の考えをまとめる。

1時

(1) 「はだしのゲン」が閲覧制限された事実とその理由を新聞記事から確認する。
(2)実際に「はだしのゲン」の描写を見てみる。
(3)閲覧制限を支持・批判する新聞記事を読む。色ペンで線を引きながら,支持・批判する理由を学習カードに記入する。
(4)今回の問題は公共の福祉の考え方に沿っているかをグループで考え,発表する。
(5)閲覧制限は結果的に撤回されたことを確認する。
(6)本時のまとめを行う。

・資料となる新聞記事を多く用意するが,資料を読むのに集中できるように記事の部分のみ渡す。拡大して読みやすいようにするなど配布資料に手を加える。また,学習カードの工夫も行い,自分の考えなどを書きやすくした。
・グループでの話し合いを円滑に行えるために,あらかじめ司会者を決めておいた。

閲覧制限を支持・批判する理由が書かれた新聞記事はそれぞれ1つずつ用意した。的確に記事の内容を読み取り,それが閲覧制限に賛成なのか反対なのか判断できた生徒がいた。その一方で書かれている内容を理解するのに時間を要した生徒もいた。これについては新聞記事を読む時間が予定の時間より短くなってしまったことも影響している。

(成果)今回の事例は教科書には掲載されていないものだが,タイムリーな内容であり,教師が焦点を絞って資料を扱うことができた。また,記事の扱い方も効率的であった。複数の新聞記事を利用することで,社会的事象を多面的多角的に考えることができることが分かった。
(課題)考える活動,意見交換の時間が少なくもったいなかった。資料(新聞記事)を読むのに精一杯の生徒もいた。資料を読むのに時間がかかる生徒,自分の考えを表現することが苦手な生徒の事をもっと意識した板書計画・教材化,また学習活動の時間の確保が課題として見えてきた。

実践者名:松本市立丸ノ内中学校 有賀 武