実践指定校実践例 2013年度

新聞への関心を高め、作文力や編集力などの向上を目指したNIEの取り組み

北九州市立高見中学校 (きたきゅうしゅうしりつ たかみちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 国語 、総合学習
学年 中学 1年 、2年 、3年
第1学年 読書と情報   第2学年 読書と情報  第3学年 論旨を捉える
新聞を活用した授業を通して、新聞への関心を高め、作文力や編集力などの向上を目指す。
毎日のコラムを1週間分印刷し、活用する。全生徒に配布。
新聞制作学習 新聞活用学習

第1学年 2 情報コラム2 「新聞の紙面構成の特徴を知ろう」 3時間 ・わかりやすく説明しよう(観点を決めて書く)3時間 ・取材してスピーチで伝える 3時間
第2学年 3 読書と情報  「目的や相手に応じて書く(5W1H)」2時間 ・メディアの特性を生かして調べる 4時間 ・インタビューをして文集にまとめる 5時間
第3学年 6 論旨を捉える 「文章の形態を選んで書こう」 修学旅行記を作る 4時間 ・記者会見型スピーチをする 3時間 ・記者会見型スピーチをする 3時間

・各単元毎 3~4時間  ・コラム・・・毎週

(1)国語科における取組
ア.国語科の授業の一環として、「国語科(光村図書)における各学年・単元での新聞活用の取組」に示す単元を中心に各学年で新聞を教材として取り上げ、新聞の積極的な閲覧を図って編集力の向上を図った。
イ.毎週土日の課題「コラムを読んで」の取組
 毎週金曜日に、各新聞社のコラム1週間分をA4版に編集したものを生徒に通読してもらい、「コラムを読んで」というタイトルのミニ感想を書くことを毎週土日の課題として、作文力の向上を図った。
(2)総合的な学習の時間の取組
①生徒にとって印象深い各学年の宿泊体験学習の事後学習での感想文や体験発表壁新聞作り等に、総合的な学習の時間を中心に取り組んだ。②国語科の取組と連携させた。第1学年の国語科の学習で「新聞の紙面構成の特徴」について、また、第2学年では「5W1H」について、新聞を活用した学習の後なので、大見出し、小見出し、記事等に工夫を凝らした壁新聞作品を制作することができている。

・集めた情報を分析・整理して文章を構成し、読み手の立場を考えながらわかりやすく工夫して書くことができるようにする。
・目的や相手に応じた説明の仕方について考え、「文の基本要素」を用いて書くことができるようにする。
・体験作文や壁新聞を編集する活動を通して、文章の形態を選択して適切な構成を工夫することができるようにする。

コラムを読み、感想を書くことで、その話題についてよく考えることができた。自分の知識を高めることができた。自分の知らなかった些細なこと(言葉やことわざ)を知る(出会える)ことができて良かった。自分とは違う考え方や新聞の読み取り方があり、いろいろな捉え方を学ぶことができた。国語の読解力・まとめる力・表現力・文章力が身に付いた。コラムは少しの時間で自然に読め、気持ちが落ち着いた。等の感想が得られた。

〇コラムを読む活動を通して、視野が広がり、語彙力が増えるとともに作文力が向上した。
〇国語科と総合的な学習の時間の取組が中心となり、教科の広がりに欠けた。
〇中学生にとっては、記事やコラムの内容によって専門的な知識や理解が不足し、教師の解説が必要となる場合がある。その場合は、偏った考え方に陥らないように「伝え手」の教師が充分に新聞記事への理解を予め深めておき、「受け手」の生徒の幅広い感受を大切にしていかなければならないと考える。
〇毎週土日の課題「コラムを読んで」の取組は、今年度は感想を書く形式だったが、漫然と継続して生徒が飽きることのないように工夫したり、個に応じた取組(書き写す、要約する、比較読みをする等)を取り入れたりするなど、今後、取組を検討、工夫する必要がある。

実践者名:北九州市立高見中学校  織田 奈々美