実践指定校実践例 2013年度
新聞を活用して,論理的な表現を身に付ける国語科の指導
名古屋市立牧の池中学校(なごやしりつまきのいけちゅうがっこう) |
教科、科目、領域 |
中学校: 国語 |
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学年 | 中学 2年 |
説得力のある文章を書こう~投書を活用し「ひし形ロジック」を生かした意見文を書く~ |
投書を参考にして,論理的な表現の特徴を知る。また,その一例として「主張」「具体例」「理由付け」「反証」の4項目から成る「ひし形ロジック」を生かした意見文を書く。 |
投書は,「主張」(結論),「具体例」(実例や統計など),「理由付け」(判断の基準),「反証」(反論に対する内容)などの項目が,適切に組み合わさっている。 |
(1)「ひし形ロジック」について学ぶ(1時間)
(2)投書を用いて,「ひし形ロジック」の4項目を見付ける(1時間)
(3)「ひし形ロジック」を生かし,意見文の内容を考える(1時間)
(4)原稿用紙に意見文を書く(2時間)
第5時 |
(1)説得力のある文章の特徴に,「ひし形ロジック」が関連していることを知る。(1時間) |
・主張,具体例,理由付け,反証の4項目から成り立つひし形ロジックに慣れさせるため,反証が含まれている投書を載せたワークシートを使い,4項目がどの部分に記されているか,見付けさせる。 |
投書を用いて,ひし形ロジックの各項目を見付けさせたことで,生徒は各項目の内容や特徴を具体的な形で理解することができた。また,ひし形ロジックの考え方を生かして,「私たちの社会や暮らしにある問題」というテーマで内容を考えさせた。生徒は,日常生活での体験や実例を想起しながら考え,SNSの使い方,自転車の乗り方,部活動の必要性などの問題を取り上げた。多くの生徒が順調に意見文を書くことができた。
投書を活用し,ひし形ロジックの考え方を基にして文章の内容や流れを考えさせたことで,論理的な構成や展開を踏まえた意見文を書くことができた。
一方で,教師の支援がないと,反証を考える上で必要となる予め予想される反論を考えることができない生徒がいた。
今後は,予想される反論やそれに対する反証の内容を生徒自身で考えることができるようにするために,近いテーマを扱う生徒と情報交換をしたり,ニュース番組や新聞記事から情報を得たりする活動を取り入れる必要がある。
実践者名:名古屋市立牧の池中学校 伴 直道