実践指定校実践例 2013年度
新聞のスクラップブックを作ろう
都立八王子東特別支援学校(とりつはちおうじひがしとくべつしえんがっこう) |
教科、科目、領域 |
中学校: 国語 |
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学年 | 中学 2年 |
新聞のスクラップブックづくり |
新聞のスクラップづくりを通して、情報を複数のメディアから収集し、内容を的確に把握する力を育成する。 |
興味関心のある記事が必ずあること、記事を読むだけでは内容を深く把握できないことを確認する。 |
1時間目:新聞記事の特徴とスクラップブックづくりについて学ぶ。
2時間目;新聞記事を複数読み、気になる記事に付箋を貼る。
3時間目;記事を選んだ理由を発表し、スクラップつくりの対象となる記事を選ぶ。
4時間目;記事の、大切なところ、わからないこと、が書いてある部分に色わけして線を引く。
5時間目;関連記事やインターネットで調べることで、記事に関する知識を深める。
6時間目;調べた上で、課題を出し、解決方法を考える。合わせて発表し、意見を交換する。
7時間目;スクラップブックにまとめていく。
第6時間目 |
対象生徒中学部第2学年、準ずる教育課程の生徒である。以下、学習活動を流れに沿って述べる。 |
新聞記事は、「見え」に困難がある場合、非常に読みづらい。そこで、タブレット端末を持つ生徒には、電子新聞を読むこと、また、その他の記事については、テキストを入力し、端末に入れ、読みやすいようにカスタマイズしたり、読み上げ機能を活用して、ストレスのない読みを提供した。また、書くことにも困難さを抱えているので、対話の中で生まれる考えやメモについては代筆した。 |
生徒は、概要を説明できた反面、「いつもは何度で運んでいるのだろう?」「どうしてこんなことが起きたのだろう?」等の質問に、的確に答えられなかった。そこで、ニュース動画で記事内容を確認させたとところ、合点が行き、解決策についても考えが及ぶようになった。記事の概要把握だけでは、記事について何も説明できないこと、興味を持ったことについては、調べを進めていく必要性を確認できた様子であった。
(1)実践の成果
〇読みにくい媒体である新聞:電子新聞アプリは、タブレット端末で記事を探す際有効であること、また、記事をテキスト化して端末に入れることで、読みやすくなることが確認できた。
〇記事の構成への気づき:大見出しによる内容のまとめ→概要→具体的説明→さらに具体的な説明、といった記事の構成について、最初に複数の記事の見出しを見比べることで、気づくことができた。
〇概要把握だけでは不十分なことへの気づき:質問や意見の時間を、対教師、対生徒間で設定した中で、具体的な自分の考えや問題解決策を明確に述べられないこと確認し、その後の調べ学習に向かうモチベーションを上げることができた。
(2)今後の課題
一連の学習の流れを、教師による支援を減らしながら取り組んでいくことが課題となる。
実践者名:都立八王子東特別支援学校 羽鳥洋美