実践指定校実践例 2013年度

新聞記事を利用した簡易ディベート

熊本県立ひのくに高等支援学校(くまもとけんりつひのくにこうとうしえんがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 国語
学年
新聞記事を読んで話し合いをしよう
新聞記事の内容を読み取ったうえで、テーマに対する自分の意見を持ち、根拠をもって主張することができる。
記事は賛否両論が併記されているものを使用する。また、生徒にとって身近な話題(ex.制服、チャイム,etc.)を選ぶようにする。
新聞活用学習

全2時間。学習内容の概略は次のとおり。
(1)新聞記事の内容をできるだけ正確に読み取って、自分の意見を持つ。
(2)新聞記事を読んで、グループで話し合いをする。

(1)(2)

(1)新聞記事を正確に読み取り、自分の意見を持つ
・新聞記事、ワークシートを準備する。
・賛否それぞれの根拠にマークする。
・ワークシートの空欄を埋めていく形で、記事の内容を正確に読み取る。
・賛否それぞれのメリット・デメリットを整理する。
・テーマについての自分の立場を明確にし、その根拠を考える。
(2)簡易ディベートを行う
・ワークシートを準備する。
・自分の意見と根拠を確認する。
・グループ編成をする。グループは賛成派2人、反対派2人、進行役及びジャッジ1人の計5人とする。
・話し合いの手順は次の7ステップである。
ステップ1 5分 作戦タイム
ステップ2 4分 賛成派アピールタイム
ステップ3 2分 反対派質問タイム
ステップ4 4分 反対派アピールタイム
ステップ5 2分 賛成派質問タイム
ステップ6 5分 フリータイム
ステップ7 3分 評価(ジャッジ)

・新聞記事は賛否両論が併記されているものを使用する。
・生徒にとって身近な話題(ex.制服、チャイム,etc.)を選ぶようにする。
・プレゼンテーションソフトや実物投影機などICTを活用して、わかりやすい展開を心がける。

競技ディベートのようなやり方ではなかったものの、身近な問題を賛否両方から考えてみることで、授業はたいへん盛り上がり、「またやりたい」という声もあがった。

競技としてのディベートは本来、テーマに対する下調べ等にかなりの労力を要するうえに、実際の場面においては、正確に聞き取る、臨機応変に対応する、理路整然と主張する等の活動が要求され、知的障がいを対象とする特別支援学校での実施は困難だと思われがちだろう。
しかし、上記のようなやり方をすれば、充分に楽しめるし、その目標を達成できると思われる。
また、障がいの特性によっては不得手と思われるアサーション(さわやかな自己主張)のトレーニングになりえる一方で、道徳的な要素を含んだ内容での実施も可能であろう。

実践者名:熊本県立ひのくに高等支援学校 坂本五月(竹下圭二)