実践指定校実践例 2013年度

教育にプラスα新聞を

メリノール女子学院中学校・高等学校(めりのうるじょしがくいんちゅうがっこう・こうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): その他(学校選択科目)
学年 高校(高等専門学校を含む) 3年
ディベートの論題に対して、意見を述べられるようにする。
根拠の裏付けとなる資料を探し、自分の主張に根拠を持たせる。また、客観的、批判的、多角的な視点を身に付けさせる。
立論作成時に、新聞を配布する。また、ディベートの時にパネルボードを使い、新聞記事を証拠資料として活用させた。
新聞活用学習

ディベート(試合)前の2週間程度を準備期間とし、その間に班で話し合い、新聞、書籍、インターネットを活用し、立論を作成していく。年間3単位で合計5試合程度を予定している。

第6時

(1)論題を決める
「原子力発電所廃止の是非」「東京オリンピック開催の是非」など、時事的な論題を中心に教員が設定するが、生徒から論題の案を出してもらう事もある。

(2)根拠となる資料を探す
新聞を中心に、肯定側・否定側それぞれに対して、根拠となる資料を探す。

(3)新聞読み比べ
立論を作成していく中で、新聞記事にも主張の違いがある事に気付かせ、多角的な視点を身に付けさせる。

(4)ディベート
試合では、立論の完成度、的確な反駁が勝敗を左右するのは当然であるが、それ以外でも、話し方やマナーなども重要になる。

(1)新聞の位置付け
新聞だけを取り上げるのではなく、あえて「様々なツールの中に新聞もある」という位置付けにしている。同日の記事の中から、「見出し」や「コラム」の読み比べができたり、根拠となる信頼度が高い事をディベートを通じて学んでもらう工夫を行っている。

新聞よりも利便性に優れているインターネットに慣れているものの、新聞を読む事が逆に新鮮に感じている生徒も多く、楽しみながら活用していた様子が見られたため、前半は新聞を中心に展開し、後半にインターネットと併用させた。また、新聞を読む事で、AO入試等の小論文対策、面接対策にも大きく貢献できた。

NIE実践2年目を迎え、1年目と同様にディベートの授業で新聞活用を実践した。今年度新しく実践したパネルボードでは新聞を貼り付けるだけのシンプルなものではあるが、証拠資料として説得力が向上し、成果につなげる事ができた。また、電子黒板やタブレット端末が導入され、より多様なツールの中で新聞の価値を見出す事ができたように感じた。新聞活用はディベートの授業だけでなく、新聞スクラップコンテストや切り抜き作品コンクールでも積極的に活用する生徒が多く、多くの入賞をいただく事ができた。課題としては新聞活用での実践成果を校内外に積極的に発信する事ができなかった事である。次年度以降も、新聞活用を実践し、新聞の意義や成果を発信していきたいと考えている。

実践者名:メリノール女子学院中学校・高等学校 伊達功治