実践指定校実践例 2013年度
新聞を活用して「複眼的思考力」を育てる試み
千葉県立八千代東高等学校(ちばけんりつやちよひがしこうとうがっこう) |
教科、科目、領域 |
高校(高等専門学校を含む): 公民 |
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学年 | 高校(高等専門学校を含む) 1年 |
第2編現代社会と人間としてのあり方生き方・第3章現代の民主政治と政治参加の意義 |
現代の諸課題や社会的事象に対して、多角的・多面的な視点で考え、自分なりの意見を論理的に表現する力の育成をはかる |
教室での授業と社会を結びつけるために適切な記事を使用し、「事実」と「意見」を区別しつつ多様な視点・考え方を読み取る。 |
基本的人権の保障と新しい人権
(1)日本国憲法における国民の権利(1時間)
(2)自由権(3時間)
(3)社会権(1時間)
(4)参政権と法の下の平等(2時間)
*実践・・・新聞を活用した小論文「受刑者に選挙権を与えるべきか」(2時間目)
(5)基本的人権を保障するための権利・新しい人権(2時間)
第7時 |
(導入)前時までの学習内容の確認 |
学習テーマと社会を結ぶトピックの選定する。 |
論述を苦手とする生徒が多い中で、賛否が分かれるテーマに「新聞記事」を活用し、「事実」と「複数の意見」を箇条書きして行くことで、自分なりの意見が述べられるようになる生徒が多かった。賛成・反対・条件付賛成(反対)など、生徒の意見も多様であり、多くの生徒が一方的(単眼的)ではなく、反対意見を考慮しつつ複数の視点から複眼的に意見を述べていた。「先生、討論しようよ!」という声が上がった。
今回は、ロックやルソーの社会契約説をベースに、国家と主権について考えさせたのち、人権保障と法規制を考えるタイムリーな記事が見つかった。さらに、賛否の分かれる問題に対する「複数の意見」「諸外国の例」「背景となる考え」など、多様な内容の記事が見つかった。そうした条件が揃ったことで質問プリントも作成しやすく、生徒たちの論述もしやすかったと思う。常日頃から、広く記事に目を通して、記事情報の収集をしておく必要がある。また、折に触れて「小論文」を書かせていたこと、その際、必ず複数の考え方から書かせる訓練をしていたことなどもスムーズな学習活動につながった。この実践をさらに汎用性を高め、多くの学習テーマで実践可能にするために、どのような工夫をするべきかが今後の課題である。
実践者名:千葉県立八千代東高等学校 山崎寛雄