実践指定校実践例 2013年度

思考力・表現力を高める授業をめざして

一関市立千厩小学校(いちのせきしりつせんまやしょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 社会
学年 小学 5年
工業生産を支える人々「自動車は世界へ」
自動車会社では,環境や人に優しい車作りに取り組んでいることに気づき,これからの自動車づくりについて意見を持つことができるようにする。
自動車会社の自動車づくりの視点を子ども達に予想させ,その予想について新聞を活用して検証する。その際,新聞から抽出した情報を基に自分の意見を持てるようにする。
新聞活用学習

単元の指導計画(15時間)
1 オリエンテーション 1時間
2 自動車会社を訪ねて 11時間(本時11/11)
3 世界とつながる自動車 3時間 
4 工業の今と未来 7時間

第2次 第11時

<導入>(10分)
1 資料(新聞記事)を基に話し合い,課題を把握する。
 東京モーターショーの記事を提示し,最新の自動車の装備や性能などから,これからの自動車に求められるものがあることに気づく。
課題-これからの自動車づくりにはどのようなことが求められるのだろう。
2 これからの自動車づくりに求められることを予想する。
 自動車としての性能,乗り物としての用途,安全性など,様々な観点から予想させる。
<展開>(30分)
3 新聞記事を資料として活用し,予想についての検証をする。
 課題に関連する新聞記事を班毎に配布する。記事の中身を読み取り,課題に関わる部分について班毎に話し合いながらまとめていく。
 活動の活性化を図るため,班毎に話し合うようにする。
4 資料から気づいたことや自分の考え等をまとめる。
 話し合いの結果や,自分で読み取ったことをワークシートにまとめる。
5 各班の代表が発表し合い,検証の結果について全体でまとめる。
 まとめ-これからは,便利さや快適さだけでなく環境のことも考え,どんな人でも利用できる自動車を作って行くことが大切になる(できるだけ児童から出された言葉を使うようにする)。
<終末>(5分)
6 次時の予告を行う。
 単元オリエンテーションと結びつけて,輸出に着目させる。

本時は,前時に学習した自動車づくりに対する要望を受けて,児童が考えた「これからの自動車づくりに求められること」ついて,検証する場面である。新聞記事を活用することによって,最新の情報から本時の課題への意識化を図るとともに,学習してきたことが,自分達の生活に密接に関わっているという実感を持たせるようにしたい。

導入ではモーターショーに出展された最新の自動車の写真と,それについての記事を提示した。これまで自動車づくりについて学習してきた児童は高い興味・関心を示し,授業に意欲的に取り組もうとする姿が見られた。予想の検証の場面では,班毎に机をあわせ,リーダーを中心に協力して取り組む姿が見られた。新聞記事を活用したことによって,より身近な話題としてとらえることができたようだ。

成果
・新聞記事を活用したことで,教科書よりも新しい最新の情報をもとに学習を進めることができた。また,それに伴い,高い興味関心を示す児童が多かった。
・記事の本文のみではなく,写真や図など,資料として豊富な内容であり,文章の読解が苦手な児童でも意欲的に取り組んでいる姿が見られた。
課題
・班毎に違った記事を配布したため,発表し合う場面でわかりにくさがあった。内容を共有するための工夫が必要だった(拡大して全体に見えるようにしたり,記事の数をしぼったりするなど)。
・これまでの実践で,読み取りの力が高まっていると感じられたが、表現力は今後の課題となっている。
・新聞の記事を集めるが大変だった。日頃から計画的に記事を集める必要がある。

実践者名:一関市立千厩小学校 菅原 秀文