実践指定校実践例 2013年度
新聞記事を読んで、自ら学ぶ力を身に付けよう
大田区立大森東中学校(おおたくりつおおもりひがしちゅうがっこう) |
教科、科目、領域 |
中学校: 公民 |
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学年 | 中学 3年 |
私たちと現代社会 |
授業で学んだ内容と現実の社会で起こっているできごとを関連づけて考え、できごとについての自分の意見が表現できる生徒を育てる。 |
生徒自身が各自1部ずつ新聞を手に取り、1ページずつよく目を通し、与えられたテーマに関する記事を探して切り抜く。 |
1ヶ月に1回を目安として、新聞記事を切り抜き、スクラップ帳を作成する。1学期と2学期の2回、新聞社の読者の欄に意見文を投稿する。
単元の学習終了時 |
(1)自分が興味をもった記事を切り抜く。 |
単に興味をもった記事を切り抜くのではなく、教師がタイムリーなテーマを設定して、それに関する記事を探すようにすると生徒は活動しやすい。ただし、夏休みなどは自由なテーマで行う。 |
公民の授業が始まると、新聞で読む現実のできごとと授業での学習内容が結びついていることに気づき、興味を持って学習する生徒が増えた。新聞を活用する学習の回数を重ねるうちに、読みながら考え、自ら進んで学習するようになった。生徒の感想には肯定的な感想が多かったが、中には画用紙一枚の作品にまとめ上げるまで時間がかかって大変だという生徒もいる。
1つの単元の授業が終わるたびに新聞を読むようにしたので、習得した知識を活用して現実に起きていることを確認することができた。これは公民の学習にとっては有意義なことだ。自分で記事を探すことは「判断力」の育成につながり、「調べる」活動は、根拠をもって自分の意見を書く力の育成につながる。「授業」「新聞」「図書館(インターネットの活用も含む)」を結びつけることによって、情報リテラシーの育成も同時にできる。
この実践では、他者とのコミュニケーションをとる活動が希薄である。今後は、生徒同士が言葉で意見をかわす活動をもっと取り入れたい。一方、中学生は読解力や理解力に差があるので、無理強いをしないよう配慮をする必要がある。新聞を読むことが苦痛にならないように、適切な言葉かけを忘れないようにしたい。
実践者名:大田区立大森東中学校 小石都志子