実践指定校実践例 2013年度

高校3年生における小論文指導に主眼を置いたNIEの取り組み

福岡県立門司学園高等学校(ふくおかけんりつもじがくえんこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 国語 、その他(朝読書・課題)
学年 高校(高等専門学校を含む) 3年
広く社会に関心を持たせるとともに表現力を鍛える
新聞活用学習

(1)朝読書の時間(10分)新聞記事を読む
(2)新聞の1面掲示
(3)国語(現代文)の授業での活用
(4)「『天声人語』書き写しノート7days」の活用

7~10時(総時間)

(1)では、生徒の進路を考慮して、小論文頻出内容の記事を中心に読む活動を実施した。新聞記事をプリントにして配布した。
(2)では、生徒に新聞に対する興味・関心を喚起するため、毎日1面掲示を実施した。他の面については、廊下の机上に配置し、読めるようにしておいた。
(3)では、国語(現代文)の授業において、新聞の社説やコラムの内容を的確に読み取り、適切に他者に伝える活動を実施した。個人での読み取り、班での討論、全体発表という流れで取り組んだ。
(4)では、課題として取り組んだ。

すべての活動の関連を図ることが大切である。そのためには事前の入念な準備が必要となってくる。

(1)は、小論文の実力向上に役立った。ファイリングをすることで理解を深めようとする生徒もおり、各自が必要とする情報の理解の深化と定着を図ることができた。
(2)は、(1)と密接に関連した、より主体的な活動である。日常生活において、新聞に積極的に関わっていく姿勢を養うことができた。
(3)での生徒の反応は非常に良く、同じ記事でも注目箇所が異なることに「気づく」喜びを実感したようである。

今回の四つの実践は新聞という一つの媒体をもとにして、全てが関連し合っており、多くの成果を得ることができた。1学期に集中して取り組んだことで、推薦入試の時期までに、小論文や面接の実力をある程度身に付けさせることができた。膨大かつ多様な情報が氾濫している社会において、目的や課題に応じた情報を適切に読み取り、的確に理解して表現する能力は、非常に重要なものである。高校卒業後の進路は大学進学から就職までさまざまであり、特に就職する生徒にとっては、高等学校での取り組みがそのような能力を身に付ける最後の機会となる。そのような考えに至った時、当初は、小論文指導に主眼を置いた取り組みではあったが、学習指導要領が掲げる「生きる力」の育成につながる活動であることを強く実感した。

実践者名:福岡県立門司学園高等学校 中野 和仁