実践指定校実践例 2013年度

新聞記事を使った要約と自己表現力の育成

大多喜町立大多喜中学校(おおたきちょうりつおおたきちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 国語 、公民 、道徳 、総合学習
学年 中学 1年 、2年 、3年
新聞記事を使った要約と意見交換
根拠や反対意見も踏まえ、また投書やコラムを比較しながら自己表現力を養う
1人あたり3~4部の新聞を用意し、投書やコラムを中心に、生徒に幅広く新聞に親しませる。
新聞制作学習 新聞活用学習

1時限目 新聞記事を選び、要約する。 2時限目 記事の書き手の見方を考えて、文章化する。 3時限目 前時に選んだ記事について、自己の意見を発表し合う。

3時間扱い

(1時限目) 選んだ記事について、次のA~Cをまとめる。A 何についての話題か。B 何を表現しようとしているか。事実と意見を区別し、原因や発端、または将来の見通しなどを考慮しながら筆者の見方を考える。C 他紙に同様の記事はないかを追求し、あった場合は、取り上げる事実や報道のスタンスの違いについて明らかにする。(2時限目)上記A~Cを踏まえ、自己の意見を整理する。共感できる、共感できないなど、曖昧さを避けて、できるだけ自己の立場を明確にする。(3時限目) まとめた内容を発表する。記事に関する説明と、それに対する自己の意見を明確にして、相互の意見を発表し合う。

複数の新聞社の投書やコラムを比較できるよう、なるべく継続性があり、社会的にも関心の高いものを選ばせる。意見を高め合えるように、グループでの学習で行う。

授業で新聞を使うことを新鮮に捉え、最初から興味をもって取り組んでいた。しかし、他紙と投書やコラムを比較してその違いをまとめる学習は抵抗を感じ、困難な生徒も多かった。3年生では、個人でも学習できたが、1年生では授業で新聞を扱うのは初めてであったため、3~5人のグループ学習とした。

新聞記事を全校統一で読む活動(各クラスの日直による選択)を行っていたため、新聞を読むことには抵抗はなかった。一方、学習していく上で困難な過程は、読み取る場であり、「これでいいのか?」という不確かな思考で止まる生徒が数名見られた。そのため、グループ活動を取り入れ、学び合う場を作った。今後も、「比較読み」の学習を工夫していきたいと思う。

実践者名:大多喜町立大多喜中学校 石川信夫