実践指定校実践例 2013年度

新聞記事を用いたリレーノートの作成

東北学院高等学校(とうほくがくいんこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): その他(朝の課外時間の活用)
学年 高校(高等専門学校を含む) 2年
課外活動:朝の時間を活用したNIEへの取り組み
記事を選び、記事について考えたことや思いを伝えあうことで、相互理解を深め、自分自身を受容する力を高める。
各自が自身の伝えたいと思う記事、メンバーに考えてほしい内容の記事を各紙から選ぶ。
新聞活用学習

各クラス5~7班編成で、1週間を1つの単位とした。ステップ1として新聞委員が選んだ記事について各人が考えたことを書き記す作業を2週間(2回)行った。
次にステップ2として、各自が選んだ記事について目を通し、それぞれの考えを記すという取り組みを2週間(2回)行った。

朝の時間(課外)

下記の手順で、意見交換ノート(通称 3Lリレーノート)の活動を展開した。

ステップ1
(1)各クラス5~6名の班を編成する。班のまとめ役を1人決める。
(2)各クラス2名の新聞係を決める。
(3)新聞係は、クラスの仲間に是非知ってほしい課題を含む記事を切り抜く。NIEコーナーの新聞を活用。
(4)切り抜いた記事を担当の先生に渡す。
(5)担当の先生がコピーした記事をノートの左ページに貼付する。
(6)右側のページに自分の意見を記しながら、班の中で回す。
(7)期間の最後に担当の先生に提出して、コメントを頂く。

ステップ2
(1)一人ひとりが班の仲間に是非知ってほしい課題を含む記事を切り抜く。
(2)切り抜いた記事をノートの左ページに貼付する。
(3)見開きページ右側に自分の意見を記しながら、班の中で回す。
(4)期間の最後に担当の先生に提出して、コメントを頂く。

 最初の1週間では、記事に対する自分の意見のみに終始する生徒が多かったため、「他者の意見を受けて」という視点を持つよう促した。
 また、期間の終わりに担当教員がつけるコメントも、正解を示すようなものではなく、考えを深めさせるようなコメントになるよう意識した。

同じ記事に対して、自分とは違う意見が出てくることに対して「おもしろい」という反応が見られた。また、自分と違う意見を受けて、改めて自分の意見を見直している生徒も複数いた。

 今後は、より多くの生徒が他者の意見に深く関わっていくことができるような工夫が必要であると感じた。
 前述の通り、他者の意見を読み、自分の意見を見直したりする生徒が出てきたことは一定の成果だと感じている。その一方で、一度自分の意見を出してしまうと、それきり振り返ることをしない生徒も存在し、生徒の中でも成果に温度差が出ていることが課題となる。
 今後の取り組みにおいては、まず理想的な意見交換ができている班のノートを例として示すなど、教員側からの仕掛けを施す必要があると考えている。また、この取り組みをきっかけに、学年集団の中に他者の意見をよく聞き、自らの考えを確実に伝えようという態度が醸成されつつあり、この点の伸長を意識していきたいと考えている。

実践者名:東北学院高等学校 柴田隆一 大森廣 平渡亮 加藤寿