実践指定校実践例 2013年度
社会科 安全なくらしを守る 「事故や事件を防ぐ」
さいたま市立鈴谷小学校(さいたましりつすずやしょうがっこう) |
教科、科目、領域 |
小学校: 社会 |
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学年 | 小学 4年 |
安全なくらしを守る「事故や事件を防ぐ」 |
人々の安全を守るための関係諸機関の働きとそこに従事している人々や地域の人々の工夫や努力を考える |
新聞記事を使うことで、児童が社会を身近に感じ、既習事項や類似する体験で得た知識から、思考判断し、自分の考えを表現できるようにする。 |
この単元は、安全なくらしを守るために関係諸機関が連携して緊急に対処する体制をとっていることを、見学・調査し、人々の安全を守るための関係諸機関の働きとそこに従事している人々や地域の人々の工夫や努力を考えることを目標としている。全9時間で行った。第1~3時で関係諸機関の概要と学習課題を第4~6時で各機関の具体的な取組を学んだ。第7時で新たな学習課題に移り、「事故をなくすために、自分たちは何ができるだろう」という問いを立て、第8~9時で安全な暮らしについて身近に考えることができるように計画をした。
第7時 |
目標は、「事故から人々の安全を守る様々な工夫や努力がある一方で、それでも起きてしまう交通事故の原因を資料や実体験から考え、新たな学習問題を立てることができる」である。前時までに警察やPTAの活動など公助や共助に関わる具体的な取組について考え、理解してきた。本時では、安全についてより身近に感じ、自助について考える学習をねらいとした。導入として、朝日新聞平成25年5月13日木曜日の「15歳以下、昨年92人死亡」という記事を活用した。授業では、児童たちが記事を読み、分かったことや思ったことをワークシートに記入した。その後、児童は新聞のどの言葉から気づき、その考えに至ったかを説明した。この記事から児童は「事故がゼロにならない」こと「子どもの事故は多い」ことに気付いた。さらに、事故の再現映像を見ることで、不注意による事故や安全意識の低さによる事故があることに気付き、安全について身近に考えようとする意識が芽生えた。そこで、今までの流れを確認し、事故がなくならない原因を押さえ、「事故をなくすために、自分たちに何ができるだろう」という新たな学習問題を立てることができた。 |
これまでの学習内容を想起し、とても多くの人々が安全を守るために、できる限りのことをしていることを確認する。 |
朝の時間にNIEタイムがあるので、児童も新聞の記事に信頼性が高い情報だと気付いていた。記事が生活と関連付けて提示されていたのでたくさんの児童が発言していた。「遊びに行くときに慌てていくと、止まらないことがある」「友達と競争するときに危ないことをしたことがある」など生活に根ざした発言も見られ、みんなが同じ土俵に立ち、「何が大事なのか」を真剣に話すよいきっかけとなった。
NIEの取組の成果としてあげられることは、まず、週1回、朝の時間に「きらきらタイム」として新聞記事を日常で目にすることで情報を読み取る活動に慣れ、情報を読み取る力がついてきたことである。そして、授業の実践をすることができたことである。授業では、上記に挙げた活動を通して、より学習する内容を身近に感じ、関心・意欲を高める事ができた。また、主体的に考え、伝え合いを通して表現する児童の育成にもつなげることができた。
反省点としては、新聞を授業で取り上げるには、さらに教員同士のNIEの取り組む意識の向上が必要である。先生方に他校の過去の実践などを広め、知っていただき、さらに、先生方の机上に新聞を回すなど実践で生かしていただける環境を作っていきたい。
実践者名:さいたま市立鈴谷小学校 林 和寛