実践指定校実践例 2013年度
高校生による中学生への授業実践
三重県立四日市商業高等学校(みえけんりつよっかいちしょうぎょうこうとうがっこう) |
教科、科目、領域 |
高校(高等専門学校を含む): その他(商業) |
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学年 | 高校(高等専門学校を含む) 3年 |
課題研究「地域活動」 |
知識を持つだけでなく、それを他者にわかりやすく教えることにより、より具体的に深く考えられる力を付ける。 |
授業のテーマにあった内容で、できる限り多くの記事を集めること。 |
週2時間の授業(選択者)。一学期は、授業計画や資料集め、また発表先への挨拶を行った。二学期は、実践のため、授業内容づくりとリハーサル、そして本番を行った。三学期も、発表本番と、アンケート集計、反省を行った。
ネットトラブル・ネット依存・アルバイト店員の画像投稿事件などの記事を熟読し、生徒が近隣の中学生を対象に「ネット・携帯トラブル」の授業を行った。まずは、現状を把握し、解決法や対処法などを探った。自分たちがまとめたり学習したことを、年齢の下の生徒に教えるということは難解であったが、生徒たちは他の座学の授業とは異なり、達成感を感じていた。授業方法は、パワーポイントを使ったり、寸劇をしたりして、中学生にわかりやすくまた興味を持たせる方法を取った。 |
記事の内容をただ紹介するのではなく、自分たちに身近な問題にするため、内容を置き換え、自分たちに実際に起きたという設定を考えた。問題をそのままにするのではなく、どうしたら解決できるか考えるヒントを出せれるように考えさせた。 |
生徒の反応は、やり遂げたという満足感と、もう一度やってみたいという意欲が出ていた。下記にも記したが、自ら問題を見つけ出し、それを解決する。そしてそれを伝えることの難しさや、伝えきれた時の喜びは最高のものだったと思う。実際、発表を終えたときには、「高校生活やりきった」という声が上がった。三年間の集大成と言えたのではないか。
他の座学の授業とは異なり、計画・調査・実践を自分たちで行わなければならないため、大変苦労していた。しかし、発表を終えたときの生徒たちの達成感は「教えてもらう」受け身の学習ではなく、「自分から動く」能動的な活動であったため、非常に高いものであった。指導する側も、生徒の思慮を追い越してはならないことと、生徒の考えが深まるタイミングを見計らうことに苦労した。しかしリアルタイム記事はこの講座に大いに役に立った。
発表先の中学校でのアンケート結果からも中学生の評判も良く、題材がリアルタイムな問題点だったということもあり、高い評価を得た。中学校の先生からも、来年も行ってほしいという意見を得た。今後の課題としては、情報を生徒自ら集めるためにもっと多社の新聞を読ませることと、情報を共有することである。
実践者名:三重県立四日市商業高等学校 中村優子