実践指定校実践例 2013年度

生徒の文章・読解力向上を目指した学習アプローチ

広島国際学院高等学校(ひろしまこくさいがくいんこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 総合学習 、キャリア教育・進路指導
学年 高校(高等専門学校を含む) 1年
「産業社会と人間」における進路学習・体験活動~NIE学習との関連性をめざして~
「産業社会と人間」における進路学習・体験活動で得た知識を文章や発表という形でアウトプットさせる。その題材として、新聞を活用し、読解力や文章力を身につけさせる。
新聞記事の「感想」・「要約」活動を行い、読解力や文章力を育成する。また新聞学習で得た知識を直接反映させるため「産業社会と人間」における学習活動にリンクさせる。
新聞制作学習 新聞活用学習 新聞機能学習

〇新聞記事の「要約・感想」記入活動(週末課題、1~3学期)

〇「気になる新聞記事意見発表会」の開催(「産業社会と人間」、6時間)

〇「進路目標発表会」(「産業社会と人間」、14時間)

第0時

〇新聞記事の「要約・感想」記入活動
→新聞記事の「要約・感想」記入活動によって生徒の読解力・文章力を定着させる。また、要約・感想記入で定着させた文章形式を大学訪問・企業訪問などの課外学習、進路学習で活用するワークシートと同様にすることで、身についた文章力がどの程度確立できたか、ダイレクトで把握させるようにした。
〇「気になる新聞記事意見発表会」の開催(「産業社会と人間」、6時間)
→教師が選定した40題の記事より2題選択し、それぞれ800字程度の発表文を作成する。発表は、クラス発表、そして優秀者による全体発表によって開催。各生徒たちには「評価表」を配付し、各生徒の長所および改善点を考えさせた。
〇「進路目標発表会」(「産業社会と人間」、14時間)
→グループ単位で新聞やその他の情報を活用し、発表用模造紙を作る。また発表時間を10分以内に設定し、時間内でのプレゼンテーションを作成させた。また発表はフィードバックさせることに重点を置き、模造紙や発表原稿を推敲させた。

〇新聞記事の要約・感想記入活動は、生徒の達成状況を見ながら、徐々に作成字数を増やしていった。
〇NIE学習と「産業社会と人間」における進路学習・体験活動がそれぞれ、単独の学習とならないよう、関連性を持たせる工夫をおこなった。
〇各学習は、その場限りの完結型学習とせず、常に「良かった点・改善する点」を生徒に考えさせ、フィードバックする取り組みを心がけた。

過去2年間と比べ、文章を書く量、さらには物事を考える機会が深まった。また、NIE学習で得た知識をそのまま、体験学習におけるワークシート記入に役立てるよう工夫を凝らしたことにより、作成することへの生徒の負荷が減るに至った(つまり、苦にする生徒が減った)。フィードバックを取り入れることにより、自らの改善点を考え、より洗練された文章を書くことができるようになった。

・文章を書くことへの負荷が減ったものの、依然として語彙力の欠如のため、内容的に薄い文章が目立つ生徒がいた(現段階で知っている最大限の語彙力を使って書いているものの…)。
・フィードバックをさせる方法は、今年度については「教師主体」による指導が中心であった。同じ立場である生徒同士でのフィードバックを多く取り入れることにより、自らの良し悪しをさらに気づくことが可能になると思われる。

実践者名:広島国際学院高等学校 為重慎一