実践指定校実践例 2013年度

情報の読み取り方と伝え方を学ぼう

八幡浜市立保内中学校(やわたはましりつほないちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 公民
学年 中学 3年
政治参加と世論
マスメディアによる情報の編集について理解し、その意図をふまえて情報を読み取る。また、東日本大震災の新聞記事からその現状を知り、自分たちができることを考える。
一連の活動の中に、新聞記事の情報収集・選択・吟味・発表の機会を取り入れ、さまざまな力が身に付くように心がけた。
新聞活用学習 新聞機能学習

 (1) メディアリテラシーについて(1時間)
 (2) 社会的事象との出会い、記事の収集(1時間)
 (3) 記事の要約・発表の用意(1時間)
 (4) 発表会・考察(1時間)
 (5) まとめ(1時間)

第4時

(1) 前時までの学習の確認と本時の学習の流れを知る。
 ・ 東日本大震災の様子をもう一度振り返る。
 ・ 被災地の現在について知り、その現状について考えよう。
(2)  前時までに収集・選択した新聞記事の内容や記者や作
   者の気持ちについて考えたことを班ごとに発表する。
 ・ 復興への道のり
 ・ オリンピックと被災地
 ・ 避難訓練・耐震化
 ・ かけがえのない命 など
(3) 発表を聞いて意見や感想を発表し合う。
(4) 教師の話を聞く。
 ・ メディアの意義と自分で判断する大切さの両面の重要性
 ・ 東日本大震災を通して、私たちにできることについて

ねらいにせまるために、自分の考えとマスメディアの考えの二つを引き出し、比較することでその両面について考えを深めることができた。また、2年半が経過した東日本大震災の現状について知り、考えを深める視点を大切に考えた。

生徒たちが、真剣に東日本大震災の記事の収集に取り組んでいる姿が印象的だった。新聞記事を読み取る作業は難しそうであったが、生徒は意欲的に取り組むことができていた。内容については、例として、東京オリンピックの決定について、被災地の反応が様々であった記事が何点か取り上げられ、被災地の方々の思いを大切に考えるとともに、多面的に物事をとらえることができていた生徒が見られた。

新聞記事を主観的にとらえるだけでなく、客観的にもとらえるために、記者の人の気持ちを考えることで、生徒の思考力の育成につながったと考えられる。授業のまとめでは、記者の人も被災地に赴き取材や研修を継続しているという記事と、実際に被災地に行かなければ本当のことは分からないという投書の二つを生徒に提示し、考えさせた。また、東日本大震災から2年半が経ち、被災地の様子をあらためて知る上でも貴重な授業になったと考えられる。風化させない、忘れないことで、私たちにできることは何かあるはずだという考えをあらためてもつ貴重な機会となった。

実践者名:八幡浜市立保内中学校 井上武彦