実践指定校実践例 2013年度

「わくわくドキドキはてな?」を育てよう

広島県立広島南特別支援学校呉分校(ひろしまけんりつひろしまみなみとくべつしえんがっこうくれぶんこう)

教科、科目、領域

小学校: 総合学習 、特別活動 、その他(自立活動 朝の会)
学年
興味のある記事を探して、どんな記事か伝え合おう
新聞記事を通して社会的事象に関心をもち、自ら進んで情報を得て考え、自分の考えを文章にまとめて表現することができる。
毎日自由に閲覧できる環境づくり。個別にテーマを決め、まとめる活動を年間を通じて継続して行うことで、「読み取る力」「伝える力」を培う。
新聞制作学習 新聞活用学習

朝の会の時間を使って、家庭で調べ、まとめてきたニュース記事を発表し、意見を出し合って、理解を深める。継続して行うことで、まとめる力、伝える力、コミュニケーション力を高める。

35時間(15分×35週×月・水・木3回)

高学年は、毎週新聞記事を1つ選び、内容を読んでわからないことを調べ、要旨をまとめて感想を書くことを継続して行っている。クイズを考えさせ、相手に情報を伝えようとする気持ちを高めさせるために、朝の会の時間に発表と話し合う時間を設けて他児童にクイズを出したり、わからないことを質問し合ったりする活動を行っている。それらの活動を通してコミュニケーションを豊かにし、内容理解を深めている。また,4・5・6学年の取組として、日曜日にあるNHKこども手話ウィークリーを視聴し、まとめたことをお互いに発表し合い、質問し合っている。共通の話題を持つことができ、新聞記事だけでは読み取れない部分を映像や手話で補うことによって、最近では冬季オリンピックや手話言語条例制定などさまざまな社会事象に対する関心が高まってきた。
4年生は、新聞を読んで試してみようということで、総合的な学習の時間に、朝日小学生新聞から興味を持った記事を選び、疑問に思ったことを調べたり、読み取ったことをもとに、実際に作ったり、試したりした。わかったことをまとめて発表し、他の幼児児童と交流を図って情報を共有することを継続して行った。
1年生は、新聞記事に親しむための取組として、新聞から好きな写真を選び,写真から想像したお話や感じたことを書いて、掲示している。最初は文を考えたり書いたりすることに対する苦手意識があったが、最近では,写真からいろいろな情報から季節や場所などを読み取り、想像して教師と話したり、書いたりすることを楽しめるようになった。

内容の理解と自分の考えを深めるために、発表後に自由に質問や意見を出し合えるような雰囲気づくりに努めた。意見交換をする場を継続して持つことで、いろいろな考えを聞いて、自らの読み取りの不十分さや間違いに気づいたり、新たな発見ができたりするようになり、「読み取る力」や「伝える力」の向上につながった。

新聞記事や手話ニュースをまとめて発表し、話し合うという活動を継続して行うことで、社会事象や身の回りの出来事に関心を持ち、自分の意見を言えるようになってきている。わからないことをそのままにせず、調べようとする意欲も高まってきた。個々に新聞づくりも行い、表現し、人と情報を共有する楽しみも見つけることができている。




NIE活動を始めて6年になる。全校をあげて継続的・日常的に取組を進めてきたことが,児童の社会事象への関心の高まりにつながったと考える。本校児童の課題である語彙力の向上にもつながり、コミュニケーション力も高まってきた。
今後もこれまでの活動を継続して行いつつ、今度は自分たちの考えや活動をしっかり話し合ってまとめ、新聞を作って発信できるような活動に発展させていきたい。

実践者名:広島県立広島南特別支援学校呉分校 鍵下 智子