実践指定校実践例 2013年度

〜 新聞を活用した学びあい学習の実践 〜「広告の紹介文を書こう」

下関市立長府中学校(しものせきしりつちょうふちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 国語
学年 中学 3年
一人っ子の彼女は、パパとママ、ジイジとバアバの愛を一人占めです。
広告の表現を読み取り、言葉にしてとらえることができる。 広告の意図を読み取り、紹介文としてまとめられる。
毎日新聞広告賞 大賞受賞作品を学びあい学習の教材として取り上げます
新聞活用学習

広告の読み取り 1時間
 広告から、広告の工夫点、キャッチコピーの特徴などを読み取り、付箋紙に書き込む
小集団による意見交換 1時間
 付箋紙を使いながら小集団で意見を交換し、この広告のメッセージを読み取る。
紹介文づくり 1時間
 この広告の魅力を紹介する300字程度の紹介文を書く。

2時

 前時までに、広告「一人っ子の彼女は、パパとママ、ジイジとバアバの愛を一人占めです」の表現上の特色を、それぞれの生徒は付箋紙に書き付けている。本時では、その付箋紙をもとに、小集団で意見を発表し、付箋紙をホワイトボードにグルーピングしながら意見をまとめさせる。
 その後にセカンドコピーの内容を想像させることを通して、この広告のメッセージを理解させる。

 本校の取り組んでいる学びあい学習のメソッドを活用して、小集団学習に取り組ませる。
 付箋に事前に意見を書き込ませることで、全員が自分の意見を発表できるようにする。
 付箋を貼り替えたり、ホワイトボードにメモを書き込ませることを通して、それぞれの思考が組み上がっていくようにさせる。
 次の時間に紹介文を書くことを意識させて、話し合いや、友達の意見から材料を集めるようにさせる。

国語・NIEに関するもの
広告のすべての部分に送り手の意図が込められていることに気がついた。
送り手の意図を文章にまとめるのは難しかった。思っていても、言葉にしづらかった。

学びあいに関するもの
最初は難しいと思っていたが、友達の意見から、気づかされることが多かった。
自分の意見を発表できて、それが話題になったのが、楽しかった。

広告を活用した授業には、可能性がある。
当面は、販売促進よりもブランディングを目的とした広告を中心に授業を構想してみたい。商品購入という意欲の喚起を目的とする販促広告より、企業イメージを表現するブランディング広告の方が、表現が重層的であるからである。ただし、それは同時に読み取りに多様な知識が必要であることを意味しており、中学生には一定の難しさがあるとも言える。
生徒にとって、広告は新鮮な課題であり、興味関心のある課題や、時事性の高い課題を選ぶことができるところは、優れている。
新聞の全面広告をきれいに取り込んで、教材化するのは少々ハードルが高い。

実践者名:下関市立長府中学校 戸嶋博光