実践指定校実践例 2013年度

この見出し、どうつける?

静岡市立城北小学校(しずおかしりつじょうほくしょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 国語
学年 小学 5年
ものの見方を広げよう
見出しをつけた理由を話し合う活動を通して、記事に対する「ものの見方」を広げることができる。
旬な話題で勝負する。
新聞活用学習

(1)「この見出し、どうつける?」
・見出しのない記事から見出しを考える活動を通して、記者が伝えようとしていることについて考える。
(2)「どっちの記事の見出しでしょうか?」
・同じ内容に対する2つの記事を提示し、どちらの記事の見出しか考える活動を通して、記事には記者の意図があり、様々なものの見方があることを理解する。
(3)「『この記事イイネ!』を語ろう」
・「納得」「驚き」「疑問」の三点で記事の感想を紹介する活動を通して、記事に対する自分の考えを表現する。

2013年6月5日(ワールドカップ出場決定の翌日)の朝日新聞の「今野選手の勇姿に勇気」「被災地から中学生がエール」の記事から見出しを取り、児童に配布。見出しを考える活動を行った。

記事の内容は、東日本大震災の一ヶ月後に被災地に今野選手が入り、避難所の子どもたちを励ました。その中の一人の少年との交流の様子と、その少年のW杯出場に際してのコメントを掲載したものである。

児童の考えた見出しは様々であるが、大別すると「今野選手を、被災地の中学生が応援したい」という意見と「被災地の中学生に今野選手が勇気を与えた」という意見の2つに分かれた。

次にそれぞれの意見の根拠を記事の中から提示し、読み手として自分はどこに注目し、記事に対してどんな印象をもったのかということについて話し合った。注目した内容が違うことにより、主となる人物が変わり、記事から考えたことも違うということが明確になっていった。

児童は授業の最後に、「書いた記者には伝えたいことがあると思うが、記事を読む側からすると、読む人によって受け取り方は違う。だからどこに注目したかによっても見出しは変わってくる。」とまとめた。

様々な見方のできる記事を選択することが必要である。読み手が注目するポイントがいくつかあり、それによって見出しの付け方も変わるような記事を選ばなければならない。

非常に意欲的に取り組むことができた。話し合いも活発で、それぞれのつけた見出しの違いから、同じ記事でも見方が違うことを楽しみながら発言し合う姿が見られた。この実践を通して「新聞っておもしろい!」「大人が読むものだと思っていたけれど、読んでみると意外と読めるし、写真のインパクト強いし、いろいろなことを知れるし…。」と非常に高い興味をもつことができたようだ。

【成果】
・学習指導要領の指導事項に沿って目標を設定し、国語の授業の中で無理なく単元を位置づけていくことができた。目標も達成でき、壮大な計画でなくても十分成果が得られることがわかった。
・NIEというと取り組みのない教員からすると敷居が高いが、大きな準備をしたり、普段から新聞を読んだりしなくても、いい記事に出会えれば、新聞を使った授業を簡単に展開でき、成果も得られることがわかった。
【課題】
・教材として価値のある記事に出会うことが必要。

実践者名:静岡市立城北小学校 漆畑浩明