実践指定校実践例 2013年度

論理の展開に着目し5W1Hをまとめよう

札幌市立中央中学校(さっぽろしりつちゅうおうちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 国語
学年 中学 3年
論理の展開に着目して読もう
表記や語句の用法、叙述の仕方を確かめて、読みやすくわかりやすい文章を書くことができる。同じ事実を報道した記事でも記者の視点によって5W1Hが異なることに気づく。
同じ事実を報道した6社の紙面を、ユニット(4人1組の学習グループ)で分担して読む
新聞活用学習

1時限目
「三浦雄一郎チョモランマ到達」と「日本サッカーW杯出場決定」について報道した6社の記事を読み、5W1Hをまとめる。

2013.10

(1)新聞見出しの役割や効果について考える。 
(2)5W1Hとは何かを確認する。
(3)「三浦雄一郎チョモランマ到達」の記事を読み、5W1Hに 該当する箇所に各自で線を引く。
(4)5W1Hをまとめる。
(5)ユニット(4人1組の学習グループ)交流
5W1Hを意識して作った文章を交流する。 
(6)「日本サッカーW杯出場」の記事を読み、5W1Hに該当する箇所に各自で線を引く。
(7)5W1Hをまとめる。
(8)ユニット(4人1組の学習グループ)交流
5W1Hを意識してつくった文章を交流する。 
(9)「三浦雄一郎チョモランマ到達」の記事と「日本サッカーW 杯出場」の記事で、違うところを探す。
・写真の扱い
・トップ記事かどうか
・見出しの数の多さ
・インタビュー内容の多さ
(10)どうして違うのか
・地理的要素
・記者の視点
・読者の興味関心に合わせている

文章を読んだり書いたりする上で基本的な力となるものの一つとして5W1Hを学習した。当初は「誰が・いつ・どこで…」という習った順序にこだわるあまり、文を構成できなかったり、記事の中から必要な項目を見つけられずにいた。その点については、順序にこだわる必要はないこと、記事の中でも順序どおり出てくるとは限らないことなどを随時助言しながら授業を進めた。

大体の生徒が知っているニュースを選んだので、話題そのものを理解するのは早かった。また、総合的な学習の時間における職場体験で新聞社にお世話になった生徒が、見出しの効果や字数についての知識を説明するなどの場面があり、よい交流をすることができた。記事の中で「なんのために」を探すことが大変だったという感想があった。

総合的な学習の時間での職場体験で、新聞社にて研修を受けていた生徒も学年に数名いるので、新聞について説明させるなど、知識を応用した交流をさせる進行をすることができ、学んだことを多くの人に発信するという点で効果的だった。
5W1Hについて学習したこの授業を機会に、テストなどの短文作成において文章構成に気を配ることができる生徒が増えた。反省としては、多くの生徒が一時間の間に読み切れる記事を選んだつもりだったが、やはり作業の速度に大きな差が出てしまい、習熟度にも差が出てしまったことがあげられる。

実践者名:札幌市立中央中学校 古畑理絵