実践指定校実践例 2013年度

新聞のよさを活用した思考力・判断力、表現力の育成

糸魚川市立糸魚川東小学校(いといがわしりついといがわひがししょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 国語
学年 小学 4年
「自分の考えを分かりやすく書こう」
新聞の投書欄から意見文の書き方を学び、それを生かして自分の考えをひとまとまりの意見文に書くことができる。
新聞の投稿欄の意見文の構成と表現のよさを話合い、自分の文章に生かす。
新聞活用学習

1時限目 新聞の投書欄に掲載された意見文を読み、書き手の主張をとらえる。
2時限目 新聞の投書から、読み手に伝わる意見文の文章構成を話し合う。
3時限目 テーマについて一番伝えたいこと、その理由、事例を具体的に挙げ段落メモを作る。
4時限目 段落メモをもとに、文章を書く。
5時限目 書いたものを発表し合い、書き手の考えの表し方、組み立て方について意見を交換する。
6時限目 前時にもらったアドバイスカードを活用して、意見文の清書をする。

(1)1~2時限 (2)3~4時限 (3)5~6時限 

(1)新聞の意見文に学ぶ
 新聞の投書欄に掲載されている小学生の意見文を読み合い、書き手のよさを話し合った。実際に新聞に投稿する規定の12字×45行の原稿用紙に直したものを掲示することで、段落の使い方や「はじめ・中・終わり」の構成、体験に支えられた主張の説得力に着目できた。
(2)段落メモから意見文を書く
 イメージマップから書きたい内容を組み立てメモにし、それをもとに下書きをした。作文を苦手としている児童も、「始め・中・終わり」の構成や、体験と考えの述べ方、適切な接続詞、「 」の使い方などが自分で修正できるようになった。
(3)協同して文章を推敲する
 3人グループで友達と文章を読み合い、「よく伝わること」「付け足すとよいこと」を付箋(きらりカード)に書いて交換し合った。分かりにくいところがあれば、どの表現なのか、どう書けばもっとよくなるかなど、具体的に相談し合う姿が見られた。友達からもらったカードを参考にして次時に清書した。この学習活動の取組の様子を児童が手紙に書いて同封し、新聞社に投稿した。

 参考にする投稿文を選ぶ際に、本学習のめあてである文章構成と、自分の考えがはっきりしている文を選ぶようにした。
今回、選んだ文では、文章構成の始めの部分で自分の意見を述べているため、読み手に訴える部分が分かりやすかった。

 児童は新聞には事件や出来事の他に、いろいろな世代の人の意見文が載っていることを初めて知った。同世代の投稿文に刺激されたことや、実際に投稿する目的意識から、児童が意見文を書きたいという意欲を高めていた。

 「始め」には立場や考えを、「終わり」には繰り返して考え(主張)を、「中」には考えを支える体験や説明を、という新聞の例が分かりやすく、どの子も意欲的に作文に取り組み、書き上げることができた。この学習活動から、「始め・中・終わり」の構成で文章を書く力が付いた。
 グループ学習の効果でどの子もカードの交換を通して意見交換ができていた。作文をアドバイスする視点が、表記に重点をおくのか構成に重点をおくのかもう少し明確であった方がよかった。

実践者名:糸魚川市立糸魚川東小学校 石野直子