実践指定校実践例 2013年度

新聞記事から見方、考え方を深めていく公民学習

小諸市立芦原中学校(こもろしりつあしはらちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 公民
学年 中学 3年
現代の民主政治
国民の政治参加が議会制民主主義を支えていることに気付き、選挙の仕組みや意義と課題などについて考えることを通し、政治参加について自分の考えをまとめることができる。
新聞記事は現実社会への接点を提供してくれる教材である。現実味のある資料は、現実社会を感じることができ、自分の問題として社会的事象を考えることができる。
新聞活用学習

1時間目 政治の目的、民主主義の確立を理解し、話し合いと決定の仕方について考える。
2時間目 模擬投票を通して、政党のはたらきや役割について考える。
3時間目 選挙制度について理解する。資料をもとに選挙制度の課題について考える。
4時間目 新聞記事を読み、投票をしようとする人々がどんな思いで投票しようとしているかを考える。将来の政治参加について自分の考えをまとめる。
5時間目 資料を見ながら、選挙以外の政治参加を考える。自分が出来る政治参加について考えをまとめる。

第4時間目

(1)前時を振り返り、学習問題「あなたは将来選挙に行きますか?」を確認する。事前に行った選挙に関する意識調査の内容を発表する。
(2)新聞を読み、実際に投票する人はどんな思いで投票しようとしているかを学習カードにまとめる。それぞれの人々に共通する思いを考える。
(3)小諸市の世代別投票率の表を見て気づいたことを発表する。
(4)本時の学習問題に対して自分の考えをまとめ、発表する。

新聞記事に登場してくる人物を事前に書き出しておく。そして、新聞を読む際に、人物をマークしながら新聞記事を読み進めるようにする。登場人物をマークさせておくことで、人々の選挙への思いを新聞記事から読み取りやすいようにする。

新聞で学ぶことを通して、現実社会で起こっている事実をつかむことができた。また、新聞記事に掲載されている人々の思いには、切実感が込められている。資料を読みとることを通して、自分の思いと照らし合わせながら自分の考えを形成させる事ができた。しかし、新聞記事を読みとることになれていない生徒は、読み取ることに精一杯になり時間を要してしまった。

新聞資料の活用は、生徒に現実社会で起こっている出来事をつかませることに有効であった。そして、生徒は、政治参加への見方を広げ考えを深めることができた。しかし、新聞の読み方を継続して取り組む必要があると感じる。特に、初めに見出しを読み、次に第一段落を読むなど新聞の読み方を指導していくことも大切である。新聞の読み方になれていると、そこから社会的事象を考え、さらに、深めていく活動もできるようになると考える。また、新聞によって論調がずいぶん異なったり、人々の意見にも様々あったりするので資料選びも重要になってくる。また、生徒の現在の読み取る力を把握したうえで、適切な資料を文量や内容を含めて精選する必要がある。

実践者名:小諸市立芦原中学校 山科 亮太