実践指定校実践例 2013年度

汚染水問題について考える

北海道富良野緑峰高等学校(ほっかいどうふらのりょくほうこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 理科
学年 高校(高等専門学校を含む) 1年 、3年
原子の構造・・・同位体
福島第一原発から漏出する毎日400トンの汚染水について、理科の学習と結びつけて理解する。
大きな紙面が多いため、記事の要点を整理して考えさせる。
新聞活用学習

理科総合A(原子の構造)
生物基礎(細胞)
授業のなかで、10~15分程度で計6回にわたって取り扱った。

1時限目:意識調査  2~5時限目:新聞記事を読む   6時限目:まとめ 

福島第一原発から漏出する毎日400トンの汚染水について、理科の学習と結びつけて理解する。

1 汚染水とは何か? 現時点での生徒個々の意識を調査する

2 新聞記事「汚染水、五輪招致に影」を読んで、この問題への関心を持たせる

  新聞記事の余白に、問題点を整理させる

3 新聞記事「タンク配管で高線量」を読んで、具体的な数値を把握、想像させる

  1日あたり400トンの汚染水→1基1000トンの貯水タンク
  →満タンになる日数→3年間で必要になるタンクの総数

4 授業のなかで、さらに新聞記事を配布、読むことに慣れさせる

 「安全宣言、首相に批判」「ドイツ脱原発一色」など


5 トリチウムとは何かを、授業の単元(原子の構造)と関連づけて説明、学習させる
  
  単元(物質の精製)で学んだ、蒸留・ろ過・再結晶などの方法ではトリチウムを除去することができないことを理解させる


6 まとめ

報道される社会問題を科学的な視点で見ることで、問題の本 質が理解しやすくなることに気づかせる。

科学的な視点で社会問題を理解させる

「脱原発」の一面的な考えに誘導しないよう配慮する

なぜ、日本では原発の賛否が二分しているのか、その背景を個々の生徒が関心をもって、これから自分で学習するよう促す

長い記事を読むのは、慣れていないので苦痛を感じているようだった。汚染水問題は何が問題なのかは、理解できた。

大きな社会問題だけに、新聞記事の字数も多く、扱い方が難しかった。長い記事を読むことは、それなりの素地が必要であることを痛感した。しかし、補足説明しながら新聞記事を読むことで、多少は新聞を読むことに慣れたのではないかと考える。子供向けの平易な記事を探して、扱えば、もう少し効果があったのではないかと反省している。

実践者名:北海道富良野緑峰高等学校 森 伸一