実践指定校実践例 2013年度

全校で取り組むNIE―全校一斉新聞感想文

札幌市立平岡中央中学校(さっぽろしりつひらおかちゅうおうちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 国語 、総合学習
学年 中学 1年 、2年 、3年
総合的な学習の時間(図書館学習)
言語活動の充実、思考力・表現力の育成
当日の朝刊を朝の一斉読書の時間に読む、全校一斉新聞読書の時間を年4回実施する。この取り組みをもとに、希望する生徒は「いっしょに読もう新聞コンクール」に応募する。
新聞活用学習

朝の一斉読書の時間に全校一斉新聞読書を年4回実施した。当日の朝刊から読んだことのない新聞を自分で選んで読む。その新聞などを活用して、総合的な学習の時間(1時間)に全校一斉新聞感想文を実施した。

総合的な学習の時間(1時間)

いつもと違う新聞を読み広く社会に目を向け、自ら見つけた課題に対してクラスメートなどとの交流を通し提言や意見をまとめる。朝の全校一斉読書の時間に、年4回全校一斉新聞読書を実施する。その新聞などを活用して総合的な学習の時間で実施した。(1)全校一斉新聞読書などで読んだ新聞から意見を述べたい記事をみつけ、切り抜く。(2)ワークシートにはる。(3)ワークシートに内容をまとめ意見を書く。(4)クラスメートと意見を交流する。1年生国語科ではこの取り組みのあと、より多くのクラスメートと交流して意見を聞く活動を行った。「いっしょに読もう新聞コンクール」に応募を希望する生徒は、その後さらに家族などとも意見を交流した。夏休みの前にコンクール応募用紙を配付し、夏休み中に清書してくることを課題とした。希望する生徒のみ「いっしょに読もう新聞コンクール」に応募した。2年生・3年生に対しては新聞感想文実施後に、生徒の委員会組織である図書局の生徒がコンクール応募用紙を配付した。

全校一斉新聞読書では学校教材用価格で新聞を購入する。全校一斉新聞読書の新聞は事前に販売店の協力を得て、クラスごとに部数分けして、当日の朝刊を配達してもらう。各クラスへの新聞配置は生徒の委員会組織である図書局が行う。読む新聞は生徒が選ぶ。

毎年1回ずつ全校一斉新聞読書の回数を増やしながら生徒の反応をみてきた。実施回数が増えるにつれて、全校一斉新聞読書への支持が増えている。新聞をとっていない家庭の生徒からは、新聞が読めて世の中への理解が深まってよかったという声が上がっている。家庭でとっている生徒からも今まで読んでいなかった経済面を読むようになった、家庭でとっている新聞と違う新聞が読めて違いがわかり、いいなどと好意的な反応がよせられた。

新聞感想文は初めての取り組みだったが生徒は積極的に取り組んだ。ワークシートに記入してから、コンクール応募用紙に記入する方法にしたが、はじめから「いっしょに読もう新聞コンクール」の応募用紙に記入するほうがよいと思われた。生徒にとってはコンクールへの応募が励みになっていた。コンクールの実施要領はある程度普遍的であることが望ましい。また、実施要領が年度初めに周知されることで計画的に取り組むことができる。全校一斉新聞読書は、NIE実践校になっても(学校規模にもよるが)、購読計画の条件により年1回が限度である。新聞購読の予算化が最大の課題と思われた。新聞をまるごと使うことはNIEの第一歩である。購読計画の条件を緩やかにしていただくことも強く希望している。

実践者名:札幌市立平岡中央中学校 三上久代