実践指定校実践例 2013年度

新聞記事で社会的な事象を身近に

札幌市立北九条小学校(さっぽろしりつきたくじょうしょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 社会
学年 小学 6年
暮らしの中の政治
既習や生活経験を基に追求し、行政や国の政治の営みについて考えることができる。
新聞記事を活用することで、社会的な事象を身近に感じ、学習問題を追求することができる。
新聞活用学習

6年社会科「暮らしの中の政治」で、新聞を活用した。単元の導入では、公共施設調べをし、本校に今年度からできたミニ児童会館にスポットを当てた。そしてミニ児童会館を調べる活動を通して、行政の役割と私たち市民のかかわりについて学習していった。

15時間

本校にミニ児童会館がどのようにしてできたのか、ミニ児童会館の見学、インタビュー、また市役所の出前講座などを通して調べていった。またその社会的な背景を調べるために、新聞記事を提示し、その背景に何があるのか話し合った。提示した新聞記事は、「少子高齢化」や「小学校の統合」などの新聞記事を活用した。そのあとで、市役所の出前講座を受けたことでより市役所の方の話の内容がわかりやすくなった。
また、「憲法と私たちのくらし」では、新聞の一面を各グループに配り、グループで新聞記事を読む活動をした。そして、そのことについてどんな記事だったのか、またその記事を読んだ感想を全体で交流した。そしてそれぞれの新聞記事が、私たちの生活とどのようなかかわりをもっているのかなど、考えていく活動をした。

新聞記事を提示する際、グループ学習では、事前に「国民主権」「平和主義」「基本的人権」につながる内容の新聞記事が書かれている一面を用意し、子どもたちが憲法と私たちのくらしのつながりが見えやすいように配慮した。そうすることで学習の狙いが達成できた。

新聞を社会科の授業の中で活用することは、前年度から自分の学級で実践してきた。子どもたちは、新聞を読むことに対する抵抗感はなく、事前に指導してきた「見出しから記事の内容を推測する」などの手法を用いて新聞記事を読み進めていった。また、時事問題に興味を示し、それぞれの立場での考えを交流することができた。

新聞記事を活用することで、学習における社会的な事象を身近に感じ、考えることができた。例えば、「衆議院選挙の記事」や「消費税増税」の記事から、国民主権や基本的人権について発展的に捉えることができた。教科書ではなかなか身近に感じられないものでも、教科書と一緒に新聞記事を活用することで、その社会的な事象を身近に考えることができ、学習とのつながりを理解することも容易であった。
課題としては、決められた時数の中で効果的に活用するために、どの教科、どの単元で活用していくのか、またそのためにはどの記事が適切か、準備に多くの時間がかかり、また継続的に新聞を活用していく難しさも感じた。

実践者名:札幌市立北九条小学校 佐藤 元昭