実践指定校実践例 2013年度

新聞を活用した「ビジネス感覚」の育成

愛知県立岡崎商業高等学校(あいちけんりつおかざきしょうぎょうこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): その他(商業)
学年 高校(高等専門学校を含む) 1年 、2年
高校商業「ビジネス基礎」企業活動の基礎
ケースメソッドの手法を用い、新学習指導要領が重要視する生徒が自ら考え、判断し、単なる意見発表から討論し表現する力の育成を目指す。
新聞記事から実際に起きた出来事を取り上げケース教材を作成する。
新聞活用学習

1時間目 個人学習
2時間目 グループ討議
3時間目 クラス討議

3時間

1時間目 個人学習
・ケースを読む。 ・個人学習用プリントを記入する。 ・判断理由をしっかり考えさせる。
2時間目 グループ討議
・個人学習用プリントを確認しながら、グループによる議論を行う。 ・グループで意見をまとめる必要はなく、自由に議論することを説明する(あくまで意見交換)。 ・判断理由を発言する際、相手に自分の考えを理解してもらうよう努力させる。 ・他人の判断理由を聞き、自分の意見を考え直すきっかけとさせる。
3時間目 クラス討議
・クラス全体での議論を行う。 ・追加ケースを読む。 ・個人学習用プリントを記入する。 ・クラス全体での議論を行う。 ・感想を記入する。 ・グループ内の意見にとらわれることなく、あくまでも個人の意見を発言するように促す。 ・判断理由をしっかり考えさせる。 ・判断理由を発言させる。 ・相互評価も行わせる。

(1)クラス全体での討議を行い、判断理由を含めた経営者の立場で意思決定した内容を発表させる。
(2) 現代のプロモーション活動において口コミの重要性を認識させる。その上でネット上の口コミは不特定多数の口コミであり、知り合いの口コミと混同しないよう自覚させる。
(3)経営者としてSNSなどのツールを使いこなし、ネットの有効性と怖さを自覚させる。

ケースメソッドにより生徒の知的好奇心をくすぐることができたと考える。生徒へのアンケート結果から、思考力、判断力、分析力、表現力など、言語活動の充実に資する能力が少なからず習得できたことが分かる。

年間を通して新聞と関わることで、思考力・判断力・表現力などを養うとともに「ビジネス感覚」の育成が可能であると考える。特にケースメソッドでは生徒の知的好奇心を引き出すことができた。しかし、改善すべき点も見えてきた。生徒の発表技術を向上させることである。結論を初めに述べ、その後理由づけをさせ、分かりやすく説明し相手を納得させる発表ができるよう、何度も発表機会を与えることが必要だと感じた。それにはデータを読み取り分析する能力の育成も必要となる。一度だけのケースメソッド授業ではなく年間を通して指導できるよう、さまざまなケース教材の作成や指導者の育成など、ハード面での準備も急務であると感じる。

実践者名:愛知県立岡崎商業高等学校 上沼 善雪