実践指定校実践例 2013年度

社会への提案をしよう 

豊田市立末野原中学校(とよたしりつすえのはらちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 国語
学年 中学 3年
電力問題解決に向けて話し合おう
相手や場に応じて効果的に自分の思いや考えを伝え合うことができる力を伸ばす
学年に応じたスモールステップを設定して指導を積み重ねることで、相手や場を意識して必要な情報を集め、原稿、メモ、資料などを活用し、適切な表現方法を選択して伝え合う姿を期待する
新聞活用学習

◇根拠のある意見を持ち寄って課題解決に向かう、社会生活を見据えたコミュニケーション能力を培いたいと考え、新聞の活用をはかった。
◇学校と社会をつなげる窓口として、「今」を知る最適の資料である新聞の資料などを活用できるように、情報収集の方法を学ぶ帯学習を設ける。また、1年時から学んできた、話したり聞いたりする力を活用・応用できるように、身につけてきた力を振り返る機会をもつ。さらに、自分の意見と比較しながら他の人の発言を検討するために「聞き取りマップ」を利用する。


第3時

1 前時の学習と本時の目標を確かめる。

2 パネルディスカッションを展開する。
 (1)司会者によるテーマの説明
 (2)各パネリストによる意見発表
 (3)パネリスト同士の討論
 (4)フロアを含めての質疑応答と全体討論
 (5)各パネリストによるまとめ
 (6)司会者によるまとめ

3 パネルディスカッションを振り返って自己評価し,意見や 感想を発表して,提案書作成への新たな目標をもつ。

◇新聞の読み方
(1)見出しから内容を把握する。
(2)事実と意見を読み分ける。
(3)異なる新聞社の記事を比較して読む。
(4)継続的に読み記事を追う。
(5)難しい語彙は辞書を引いて確認する。
◇評価しながら聞く
(1)マップの中央に自分の意見と根拠を簡単にメモする。
(2)似た考えは「自分の意見」のそばに書く。
(3)囲みや矢印を使って整理し、自分の意見を再確認する。

具体的な社会事象を、写真や記事等を通して、身近に感じるとともに、社会の一員としてしての自覚を深める機会になった。新聞を活用した授業を継続していくことで、社会に対する関心の高まりだけでなく、批判力が身につく。また、見出しやリード文を正確に読み取ったり、自分なりに書いたりすることで、要約力、構成力が身についてきた。

本校の生徒は、生活に役立つ「書く力」を身につけるために、1年時から書く目的意識をもち、様式に必要な表現要素を確認しながら、紹介文・手紙・意見文・随筆・感想文・解説文・書評・提案文・批評文という表現様式を学習してきた。学んできた表現様式を見直して書くことができるようにするには、新聞形式が有効である。日常生活で目にする機会が多く、様々な様式の文章を一面にまとめられるという新聞の利点を生かし、新聞を書くことで、日常生活の中で自分が伝えたい話題、見方や考え方を深めたい出来事について表現様式を選んで書く力を身につけた。また、新聞を書きながら、自己や社会を見つめ直すこともできた。今後もより明確なスモールステップを学校体制で確立したい。

実践者名:豊田市立末野原中学校 二村大吉