実践指定校実践例 2012年度

納税者として経済を考えよう

山都町立蘇陽中学校(やまとちょうりつそようちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 公民
学年 中学 3年
社会保障と私たちの生活
増税のねらいと生活への影響を新聞記事をもとにつかみ、生活への影響を多面的・多角的に考察、判断し、国民としての役割について考える。
新聞記事の内容から、各立場ごとに増税がもたらす生活への影響を読み取り、最終的な自分の考えを根拠を明確にして決定しているか。
新聞活用学習

(1)私たちの生活と財政(1時間):政府の財政政策や財政の役割を知る。
(2)国の支出と収入(1時間):国の財政状況の現状と課題をつかむ。
(3)社会保障と私たちの生活1(1時間):国の社会保障制度の種類や内容を知る。
(4)社会保障と私たちの生活2(1時間:本時)
(5)社会資本の役割と環境への取組(1時間):社会資本の役割を知り、環境に配慮した開発について考える。

第5時

1 本時の学習課題を知る。
(1)8月10日付新聞の1面記事掲載位置を考える。
(2)1面記事の「増税案成立」に関する内容から学習課題をつかむ。
学習課題:増税は、私たちの生活にとってプラスかマイナスか考えよう。

2 増税による生活への影響を考える。(個人→グループ)
(1)新聞記事から、各立場で増税のプラス面、マイナス面をつかむ。
a.政府 b.子どもをもつ親 c.高校成 d.高齢者 e.難病の方々 f.小・中学生
(2)各立場毎の主張を聞き、生活への影響を考える。(パズル学習)
(3)自分の最終的な考えを持つ。

3 学習のまとめをする。
(1)発表を聞く。
(2)教師のまとめを聞く。



・新聞記事から、国の財政状況や政策についてつかませる。
・社会保障制度は、現在から未来への備えであることもおさえる。
・増税の影響については、新聞記事の内容から、6つの立場で考えさせる。
・6つの立場で考えたことを、パズル学習により発表し合い、立場の違いや関連性に気づかせる。

本時の学習では、各立場ごとに新聞記事の内容を、短時間で読み取ることは非常に難しかったようである。増税には、反対の生徒が多かったが、これまでの赤字財政や少子高齢化、経済状況の悪化などから、増税は仕方がないと答える生徒も少数いた。

新聞記事を活用したことにより、記事の内容がどのような立場で書かれているのをつかむことができ、同じ話題の記事でも、見方や考え方が違い、その違いを比較検討することにより、多角的・多面的な思考をおこなうことができた。
新聞記事の内容を短時間で読み取ることは、個人差が大きく訓練が必要であると感じた。
この授業を機会に、政治の動きに興味をもってもらいたい。

実践者名:山都町立蘇陽中学校 遠山 清