第8回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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(神奈川県)慶應義塾湘南藤沢高等部 2年 小野 桃果(おの・ももか)さん

意見を聞いた人:母

記事見出し

五輪にLGBT拠点を(神奈川新聞2017年8月17日付朝刊)

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

私はLGBTの方と話をしたことがある。周囲には受け入れてもらえていたが親に告白できず、世間と自分の考え方の違いに悩んでいたそうだ。そんなとき、身近に同じ境遇の人がいたり、悩みを話せる環境があれば、どんなに心が救われたことか。だからこの記事を目にしたとき、国内初のプライドハウスがそのような人々の心のよりどころになればと強く感じた。多様性について人々が目を向け、後世にわたって財産となるような大会になると思う。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

母はまず、オリンピックがスポーツ以外の分野で機能を果たしていることに驚いていた。さらに、世界各国から多種多様な人々が集う五輪だからこそ、選手を含め人々が悩みを打ち明けやすいのではないかと言う。また、LGBTへの偏見が残る日本にとって、「普通」とは何か、一石を投じる機会になればと考えていた。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

母との会話の中で思い出した、3年前のソチ五輪。同性愛宣伝禁止法を定めたロシアでは、五輪ボイコットにまで波及する騒動が起きた。日本ではLGBT対応が遅れているだけに、誰かが不快になる五輪を繰り返さないか不安が募る。その中で松中氏を筆頭にNPO法人が動き出した影響は大きいと感じた。閉鎖的な環境の中で意識改革を図るのは困難なことだ。だからこそ五輪で拠点を設け、新たな風を吹き込むことに意義があるのではないか。特技や習慣、言語が違うように性に対する考え方が違う。時間はかかるかもしれないが、たった一つの違いとして個性として自他ともに認められたらいいなと思う。また、オリンピズムの一環として、心の平和の「輪」をここ日本から広げていきたいと願っている。成人の年に迎える東京五輪。これからの社会を担う私たち自身が価値観を広げ、個性を発揮できる世界を創りたいと強く感じた。