第3回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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名古屋市立緑高等学校 1年 村上 大河(むらかみ・たいが)さん

意見を聞いた人:父、母、祖母

(1)この記事を選んだ理由を書いてください

日本の技術流失が止まらない昨今の情勢が、ずっと気になっていた。資源を持たない日本が世界と渡り合えているのは、このものづくりの知恵たる知的財産があるからで、それを切り売りしては日本に未来はない。このような状況に流されることなく踏みとどまっている人たちにエールを送りたい。

(2)記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

ボブスレーのそりを作ったところでもうかるのか、とても心配であるけれど、「口を開けて待っていれば仕事がくる時代は終わった。自分たちから打って出なければ、じり貧だ」と複数の工場が力を合わせ、新たな分野でものづくりをアピールしていこうという心意気に感動した。ぜひ頑張ってほしいと思った。

(3)家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

母は悲観的で、人工衛星まいど一号でさえ資金繰りに行き詰まったのだから、この記事の人たちもうまくいかないのではという意見だった。父は反対に肯定的で、匠の技を持つ職人の底力を見せてほしいと、町工場の新しい分野への進出に期待しているという意見だった。祖母は職人の技術が海外流失しないよう、国が国策で保護するべきだとのことだった。

(4)話し合った後のあなたの意見や提案を書いてください

不況を乗り切るために町工場がタッグを組んで、ボブスレーのそり開発に挑戦するなんて、見出しを見た時にはひどくとっぴな話のような気もしたが、読み終えた後はこの挑戦を応援したい気持ちになっていた。そり開発には、イタリアのチームはフェラーリ、ドイツにはBMW、 米国にはNASAが関わっている。そんなすごいメンツの中にポッと出の寄せ集めチームが殴り込みをかけるなんて、正直場違いというか無謀ではないか?と思った。しかし勝算の見込みのない戦いを誰がするだろうか。彼らは確信していたのである。自分たちの技術が新分野でも通用することを。それほど自分たちのものづくりの技術に自信があった。これはうぬぼれでも何でもなく、日本の職人の技術というものが、世界でもトップ水準にあるということにほかならないだろう。そんな世界に誇る日本の技術が、一方では不況を理由に切り売りされている。その状況を、ただ手をこまねいて見ているだけの国は、日本の未来というものを真剣に考えているのだろうか?なぜ対策を講じないのか、甚だ疑問である。