“先生”体験から考える
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笑顔で「しんぶんおもしろい」
子どもは自由だ。自分の名前が書けるか書けないかという年齢の幼稚園児もスクラップに挑戦する。「好きな写真はあるかな?」というこちらの呼び掛けに、驚くくらいいい反応を見せてくれる。「シート、もっとくーださい」と何回も取りに来る。「貼った写真のどこが好きなのかお話ししてくれる人はいますか」と聞くと、かわいい手がたくさん挙がる。「お花がたくさん咲いていてきれい」「キリンさん、見たことがあるの。エサもあげたの」などうれしそうに発表する。幼児たちが大きな紙面をめくり、記事に触れ、「しんぶんおもしろいね」と笑顔になる。
子どもに購読の選択権がある家庭はほぼないだろう。しかし、家庭に新聞がなくても、学校や図書室で新聞を読む機会はあるはず。大人になった時に、変なおばちゃんと新聞を広げて笑い合ったことを思い出して「新聞、広げてみようかな」と思ってくれればと願っている。
筆者・プロフィール
- 長谷川 久栄(はせがわ・ひさえ)
- 北日本新聞社 読者局ジュニア新聞部部長デスク
「新聞研究」2017年3月号掲載
※肩書は執筆当時