“先生”体験から考える

子供の視点で自由にスクラップ

「お気に入り」を探す児童たち。記事をじっくり読み込む姿が見られる

 私が一番好きなのが「スクラップ教室」だ。当日の朝刊を一緒にめくりながら、難しそうな記事は飛ばして、見出しと写真だけを拾い読みしてからスクラップに取り組む。15分弱の制限時間内に気になる記事を探して、1人ずつこちらで作った手作りシートに切り貼りして選んだ理由を書き込んでもらう。

 必ず約束するのが「お隣さんと同じ記事でも違う記事でもいい」「『この記事を選んだからすごい』とか『こんなの選んで変!』ということはない」「記事や見出しの大小にこだわらない」の三つ。「スクラップを始めましょう」の声と同時に、新聞をめくる音がする。

 子どもたちは扱い慣れない紙のサイズに戸惑いながら、気になった記事を読み込んでいく。選ぶ記事はシートからはみ出すくらい大きなトップニュース、切手大の短信、通信販売の健康器具の写真、社会面の4こま漫画などさまざまだ。机間を回りながら、子どもたちの着眼点に驚くことは多い。

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