“先生”体験から考える

伝えたい新聞の役割

 講座では主に、記者の取材から印刷、配達までの大まかな流れや、記事の読み方を紹介している。「隅から隅まで読むのは大変なので、見出しや写真を見て気になった記事だけを選んで読んでかまわない」「ニュース記事は大事なことから順に書いてあるので必ずしも最後まで読まなくていい」といったことである。そもそも新聞は何のためにあるのかも強調する。子どもたちに尋ねるとたいてい、「ニュースを伝えるため」と口をそろえる。「伝えてどうするの?」と切り返すと首をかしげて黙り込む。「簡単に言えば、一人でも多くの人が楽しく笑顔で過ごせる平和な社会をつくるため」などと自分なりの考えを伝える。一方、将来の夢についてあれこれ思案している年頃であることを踏まえ、新聞は記事を通じていろいろな仕事の様子が分かる職業ガイドとしても役立つことを力説している。

 最後の質問は、説明したことを受けた内容であればうれしいのだが、多くの場合は事前に用意しノートに書き留めてある項目が読まれる。代表的なのはこんな問いだ。「新聞に載せるニュースは誰がどうやって集めているんですか?」「記事や新聞はいつ、どのくらいの時間をかけて作っているんですか?」「新聞は何人で作っているんですか?」

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