“先生”体験から考える
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新聞作りの知見を人材育成に生かす
また、期待の域を出ないが、彼らは「マスゴミ」といった言葉を安易に使わないと思う。1本の記事を書くためにどれだけの苦労があり、葛藤があるのか。ニュースを発信する側を味わった経験は、リテラシーの確かな素地となる。
伴走する側の学びも、もちろん大きい。自分はどんな取材をしているのか。そもそも何のために書いているのか。学生の疑問に答えることはすべて、自分の在り様を見つめ直すことにつながる。
記者インターンの取り組みが注目されるにつれ、取材と記事執筆の要点を学びたいというニーズも掘り起こしている。地元のNPOや企業などから、「市民ライター講座」や若手社員研修などの講師依頼が相次ぐようになった。
報道の今後、特に地方紙の生きる道を考えたとき、ポイントはこの辺にあると思う。つまり、これまでわれわれが新聞を作るためだけに用いてきた取材や記事執筆などの知見を、人育てにも役立てることが、結果として報道の支持者を広げ、読者を増やし、取材協力者の輪も広げることにつながると考える。
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