“先生”体験から考える
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新聞離れ世代への確かな訴求に
通算14期目となる今夏のインターンで学生の原稿に目を通す筆者(中央)。学生の生き方に深く関わることで報道の理解者を広げようと努める
取材は3、4人一組の班で挑む。取材企業選びからアポ取り、そして実際の取材・撮影まで、すべて自力。課題は800字の記事と写真1枚。伴走役の社員のOKが出ればゴールで、苦心作は夕刊紙面と記者インターン専用ブログを飾る。
学生が2週間をトラブルなく過ごすのは難しい。遅刻や課題の提出遅れは日常茶飯事。アポが取れないと悩んだり、いい表現が浮かばないと苦しんだり、礼儀がなってないと叱られたり……。記者修行というより、むしろ社会人入門だ。
こうしたドタバタ劇に、われわれは事細かに向き合う。状況を見定めながら時には助言し、時には突き放す。自分の失敗談を明かし、励ますこともある。正直言って手間だ。毎回社内各部から5、6人の記者および記者経験者にデスク役として協力してもらうのは心苦しい。
それでも、若者の生き方にこうして深くコミットすること以外、報道のやりがいや使命を知ってもらう道はあるかと考えると、「手間」という受け止めは「確かな関わりのチャンス」という意識に変わる。
事実、インターン後に新聞購読を始めた学生は、筆者が仲介した限りでも他紙を含め(!)30人を超える。実家暮らしなどの既読者もいるから、新聞離れ世代への訴求としては悪くないと思う。
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