“先生”体験から考える
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「おもしろい」を文章でいかに表現するか?
文章を書くのが苦手という子どもたちは多いが、ちょっとした助言で「こんなに書けた」と先生もびっくりする場合がある。
中学生に修学旅行の記事を書いてもらっていた時のことだ。「USJのジェットコースターがおもしろかった」と書いた生徒がいた。どの生徒も「おもしろかった」「楽しかった」のオンパレード。「どんな風におもしろかったか書いてみて」と言っても鉛筆が動かない。「じゃあ、どんな様子だったか話してみて」と求めると、生徒は「てっぺんに上ったときは、めっちゃ、高くて、そこから、真っ逆さまに猛スピードで降りて、体が置いていかれそうで……」と次々に言葉があふれ出た。
「子どもたちは、おしゃべりはできても、書くことが苦手なんですよ」と教師。「いえいえ、今話したことを、そのまま書けば臨場感のある文章になりますよ」と水を向けると、生徒は「それなら私にも書けそう」と打って変わって原稿用紙に向かった。
「おもしろかった」「楽しかった」という感情を表現するために、具体的な事実を並べる書き方は、生徒たちの目には新鮮に映ったのかもしれない。
新聞記事は不特定多数の読者に情景や様子が伝わるよう客観的に書くのが基本だ。このことも、新聞に出合っていない子どもたちは新鮮に感じるようだ。
こんな反応もあった。小学4年生に「感じたこと、思ったことを書かずに、あったこと、体験したことをそのまま書きましょう。客観的という言葉は難しいけど、知っておくといいよ」と話したところ、作文とは違う書き方に興味を示す児童がいた。休み時間に国語辞典を出して「客観的」の意味を調べている。「分かってくれたかな」とうれしくなる。
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