“先生”体験から考える
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新聞と出合う瞬間―子どもたちの反応を糧に
「新聞を読まない」のではなくて「新聞を知らない」ようだ。いや、存在自体は知っていても、「新聞と出合っていない」ということなのだろうか。小・中学校、高校で新聞の読み方や新聞づくりの出前授業をするようになって5年目。年々、読まれていないという実感は増している。それとは裏腹に、教育分野において新聞の力を感じる場面も多い。新聞を通して、何かを得て、目を輝かせる子どもたち。その瞬間を何度となく見てきた。
「これ、意味が分からん!」。段組みの折りケイを無視して上から下に読んでいく小学生、紙面を開くたびに収拾がつかなくなり、バラバラになった新聞紙と格闘する小学生。原稿用紙を配り、記事を書くように呼び掛けると(当然縦書き)、左から横に書き始める中学生。ニュース解説で知られる池上彰さんのように「そこからですか」とつぶやきたくなることもある。
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