第7回いっしょに読もう!新聞コンクール
HAPPY NEWS賞・阿部瑞希さんと出会った記者の思い

ハッとさせられた瞬間

コンクール表彰式で記事について対談した阿部さん(右)と筆者(2016年12月10日、ニュースパーク)

 読者から、記事へのご意見をいただくことは多々ある。しかしこれほどまで、つぶさに反応を感じられる機会はまたとないだろう。HAPPY NEWS賞を受賞した滋賀県の中学1年、阿部瑞希さんとの交流は、心揺さぶられるものがあった。

 「新聞の束から、『あれはいつの記事だっけ?』と探し出して書きました」。何げない一言に胸が熱くなった。阿部さんが選んだ「南北の2人 にっこり自撮り」の記事が掲載された2016年8月11日付の朝日新聞朝刊。カヌーの羽根田卓也選手が日本初のメダルに輝き、競泳男子800メートルリレーが52年ぶりの銅メダル獲得─。日本人選手のリオデジャネイロ五輪での活躍が、スポーツ面、社会面にとあふれていた。

 「自撮り」の記事は、北朝鮮と韓国の女子体操の選手が、スマートフォンで仲良く自撮りした写真がインターネット上で話題になっている、という内容。

 一日20万字とも言われる新聞の情報量の中で、記憶の片隅に残る記事を書けたとすれば、本当にうれしいことだ。

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