第7回いっしょに読もう!新聞コンクール
最優秀賞(中学生部門)・窪田絢水さんと出会った記者の思い

少女の心を動かした“笑いの炊き出し”

コンクール表彰式で対談した窪田さんと筆者(2016年12月10日、ニュースパーク)

 同市の白川中2年・窪田絢水さんは、記事で西嶋さんを知り、心臓病を抱えながらも、“笑いの炊き出し”を続ける姿に心を打たれたという。〈「生きているからこそ笑える」そう思う事で励まされ、心から共感できた〉と感想文にしたためた。

 避難生活、学校の休校、余震の怖さ……。窪田さんも地震後、つらい経験をした。県外の友人から掛けられた「頑張れ」の言葉も、努力が足りていないことを指摘されるように感じ、素直に受け止められなかったという。窪田さんは「今までどう笑っていたか、分からなくなった」と振り返る。

 西嶋さんも決して最初から前向きだったわけではない。地震で自宅は壊れ、持病の手術の後遺症に疲労が重なり、倒れたこともある。それでも笑顔が被災者を救うと信じ、活動してきた。そのひた向きな姿勢が、窪田さんの心を動かしたのだと思っている。

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