育もう 新聞のある学校図書館で

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学校図書館にあるはずの新聞が…ない!?

 政府は、22年度から5年間実施する第6次「学校図書館図書整備等5か年計画」で、公立小中高校の学校図書館への新聞配備に向け、地方財政措置(地方交付税)を増額しました。小中高校に新聞を配備できる額がそれぞれ1紙ずつ増え、小学校2紙分、中学校3紙分、高校5紙分になりました。複数紙の配備は18歳選挙権の実現に加え、成年年齢が18歳に引き下げられたことを踏まえ、主権者として必要な能力を育む狙いがあります。

 一方、公立小中高校の多くの図書館には、学習に必要な新聞が十分に配備されていない現状があります。

 文部科学省が実施した2020年度「学校図書館の現状に関する調査」によると、小中学校の学校図書館における実際の新聞配備率は5割以下でした。学校図書館または普通教室のいずれかに新聞が配備されている学校の平均紙数は、小学校が1.6紙、中学校は2.7紙にとどまりました。9割以上に新聞が配備されている高校でも、平均3.5紙。主権者教育に複数の新聞の読み比べが重要であることを考えると、まだ十分でないことが分かります。

 学校図書館は、読書をするだけの場所ではありません。調べ学習など子供たちの主体的な学びをサポートする場所であると同時に、多くの情報源から必要な資料を取捨選択し、活用することで情報活用能力を育む場所でもあります。そのような場所に、新聞は欠かせない資料です。

学校図書館図書整備等5か年計画の地方財政措置(金額は単年度)

  2017~2021年度 2022~2026年度
新聞配備   30億円 38億円
小学校 10億円(1紙) 26億円
(小学校2紙、中学校3紙)
中学校 10億円(2紙)
高等学校 10億円(4紙) 12億円(5紙)
図書購入費 220億円 199億円
学校司書の配置 220億円 243億円
470億円 480億円

 それでは、学校図書館への新聞配備が十分でないのはなぜでしょうか。さまざまな理由が考えられますが、その一つに新聞を配備するための十分な予算が学校まで届いていない可能性があります。上記の地方財政措置は、どのように使うかは地方自治体に委ねられています。そのため、本来の目的に沿って予算化されず、十分に活用されていない現状があります。学校図書館への新聞配備を進めるためには、自治体の理解を進めることが大切なのです。

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