“先生”体験から考える
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「楽しかった」のひとことを期待して
教室終了後には児童、生徒たちが新聞への興味・関心、考え方、向き合い方についての意見、感想を書いて送ってくれる。「新聞が多くの人によって作られていることが分かった。これからはもっと真剣に新聞を読みたい」「たくさんの情報を詳しく分かりやすく教えてくれる。私たちはもっと新聞に感謝すべきだ」などと書かれていると、正直うれしくなる。そして、新聞教室での私の話が少しでも新聞に目を向けるきっかけになったとしたら、それこそNIE活動の目指すところであり、これ以上の喜びはない。
ある山あいの小さな小学校での新聞教室が終わった。その瞬間、一人の児童が発した「あー、楽しかった」の声が聞こえてきた。このひとことで、これまでの苦労も全て吹っ飛んだ気がした。このひとことを期待して、私は学校に通っているのかもしれない。
筆者・プロフィール
- 水野 幸雄(みずの・ゆきお)
- 山陰中央新報社 NIE担当
「新聞研究」2017年9月号掲載
※肩書は執筆当時