HAPPY NEWS 学校での取り組み

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HAPPY NEWSでスピーチコンテスト

勝山市立勝山北部中学校

「あの時は、学校祭が2週間後に迫っていて焦っていたんです。たまたま『HAPPY ニュース募集』の記事を読んで、これだ!って。すぐに生徒に『みんなハッピーニュースの記事を探してごらん』と1週間ほどで集めて、生まれたのがあのスピーチコンテストなんです」

2年半前を、こう思い出しながら話す福井県勝山北部中NIE担当、道関直哉教諭(48)の顔には、自然と笑いが浮かんでいた。「ハッピーニューススピーチコンテスト」は、全校生徒164人が体育館に集まり、一斉にあちこちでスピーチが展開される学校祭の目玉行事。生徒たちは自らが選んだ記事を手に持ち、「なぜハッピーなのか」、「なぜ、ほかの人にも読んでもらいたいのか」など、自分の思いや考えをスピーチ、それをグループごと生徒同士で審査し合う。最終選考まで残った4人がステージ上で、最後のスピーチを披露する。こうした取り組みが昨年春、「HAPPY NEWS 学校賞」受賞につながった。

昨年9月に行われた2年目のコンテストで、生徒が選んだニュースは「チリ鉱山で生き埋め、奇跡の救助」「福井県恐竜博物館の特別展が盛況」「勝山市にジオパーク認定証」など多彩だ。普段、そう新聞を読んでいない生徒がハッピーを探すのに抵抗はなかったのだろうか?「うーん。そう心配はしなかった。ハッピーニュースというと、大人は善行記事とか明るい話題とかイメージしますけど、子どもの発想はもっと柔軟。ハッピーというのが、自分にとってだけでなく、郷土愛とか学校愛とか。子どもたちの方が記事を選ぶのに“構え”はないですよ」と道関教諭。

子どもたちの目広がると思う

北部中は2009年度から福井県のNIE実践校。それ以前から「豊かに実現し、コミュニケーションのできる生徒の育成」の研究に取り組んでおり、そこで身についた力をNIEでさらに伸ばそうという狙いがある。北部中ではほかに、毎朝20分の読書タイムを週1回だけ新聞記事に切り替え、感想を書かせる「朝の新聞読書」や「コラム朗読」にも力を入れる。

新聞の1面のコラムは中学生にはまだ難しいのでは?島田さよ子校長は「確かに……。でもいろんなニュースや世の中の動きを題材に、ベテラン記者が意見や主張を織り込み、あの分量にまとめている。コラム読みを続けると、きっと社会を見る子どもたちの目が広がると思うんです」。これだけ新聞活用に取り組みながら、北部中の先生は、生徒が新聞を読むようになったかどうか「まだ自信がない」という。「でもね」島田校長は「校長だより」に載せた、ある2年生のNIEの感想を見せてくれた。「NIEをやってとてもよかった。最近では新聞を読むようになった。新聞を読むということは、情報がいっぱいあるし、みんなで考えさせられることも多い」。NIE成果の芽は、出つつある。

福井新聞社・NIE推進部・加藤佳紀