「知らせたい衝動大切に」千葉県NIE研修会 新聞記者ら講演

  1. NIEトップ
  2. リポート NIEの現場から
  3. 「知らせたい衝動大切に」千葉県NIE研修会 新聞記者ら講演

「第39回ちーばNIE研修会」で講演する
上田氏=千葉市中央区

 千葉県NIE推進協議会(会長・松井聰千葉大学教育学部教授)のセミナー「第39回ちーばNIE研修会」が2025年12月7日、千葉市中央区のホールで開かれ、新聞記者らが講演した。学校関係者や県内NIEアドバイザー、新聞各社から約20人が参加し、耳を傾けた。

 最初の登壇者は、東京新聞サンデー版で毎週掲載中の大型特集「大図解」(カラー見開き2ページ)を手がける編集部長・上田融氏(59)で、「『見せる新聞』の作り方」と題し講演した。

 大図解は、湾岸戦争時の1991年に企画した「湾岸情勢大地図」をきっかけにシリーズ化し、これまでに1700回超を掲載。上田氏は地図や表、グラフ、絵、写真をふんだんに使ってビジュアル化し、読者に理解してもらえる紙面作りがコンセプトだ、と解説した。

 「心構えは『自由研究』。ニュースではない変なテーマも否定しない」「これ調べたい。調べてみんなに知らせたいという初期衝動が大切」と強調した。

 当日は、毎日新聞客員編集委員で植草学園大学副学長の野澤和弘氏(66)も登壇。「弱さを愛せる社会」を演題に、児童虐待や子どもの貧困の現状紹介、障害者のリアルに迫るゼミの報告などを行い、「お互いに迷惑をかけ合うような、でもその中で、安心を感じられるような社会を目指していかなければならない」と呼びかけた。

高橋行夫(千葉県NIE推進協議会事務局長)(2025年12月17日)