「地域防災」テーマに姫路・網干西小で公開授業 兵庫県NIE推進協議会

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防災について調べた成果を発表する小学生たち
=姫路市立網干西小学校

NIE活動に取り組む、兵庫県姫路市立網干(あぼし)西小学校で2月12日、「地域防災」をテーマにした公開授業が行われた。同校の5年生57人と近くの県立網干高校の2年生16人が参加。小学生は、南海トラフ巨大地震や防災グッズ、避難所生活などのテーマに分かれ、新聞やインターネットで調べたことを「防災壁新聞」にして発表した。
阪神・淡路大震災から30年を迎えた2025年、兵庫からあらためて「地域の共助、地域防災」の重要性を発信したい--―。網干高は7月31日~8月1日に開かれる「第30回NIE全国大会神戸大会」で、今回の授業を含めた取り組みを実践発表する。
両校は日本新聞協会のNIE実践指定校。網干西小が総合的な学習の時間で防災を学ぶ中、同様のテーマで取り組む網干高に声をかけ、合同授業をすることになった。
公開授業で小学生は8グループに分かれ、南海トラフ巨大地震などのほか、津波や台風、雪崩から命を守る方法、停電時の対処法などをまとめた「防災壁新聞」を体育館に掲示、寸劇などを交えながら成果を発表した。新聞で災害用伝言ダイヤル(171)の使い方に触れたり、過去の津波を伴う大地震についてまとめたりしたグループもあった。
続いて、高校生がクイズ形式で地域の防災設備を紹介した。地域を流れる一級河川・揖保川に残る「畳堤(たたみてい)」もその一つ。川の増水時に既存の堤防の上に近隣の住居の畳を並べて堤防をかさ上げする「特殊堤」で、平安の昔から〝暴れ川〟の異名がある揖保川と住民の格闘の歴史を物語るものとして関心を集めた。
最後に「網干地区の共助をどう進めるか」について、小学生と高校生が話し合った。「普段から地域の行事や祭りに参加して近所の人と関わる」「避難訓練時など地域の人と防災や避難場所について話し合う」などの意見が出た。
南海トラフ巨大地震について発表した同小の児島佳乃香さんは「見ている人に楽しく伝わるよう、はきはき話せた」、同高の辰本一真さんは「共助で実際に何をできるか、災害の発生前に、具体的に決めておかないといけない」と話した。
◆実践された網干西小学校・北上順公教諭、小谷由紀教諭、網干高校の佐々木浩二教諭の寄稿(授業のねらいや感想、展望)はこちら
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三好 正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(2025年3月11日)