新聞紙使って運動会 兵庫 甲南小学校・幼稚園

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新聞紙で作ったポンポンで振って
ダンスを楽しむ子どもたち
=甲南小学校・甲南幼稚園

甲南小学校(神戸市東灘区)は2024年度から日本新聞協会のNIE実践校に指定された。今回、3年生が新聞を使ったオリンピック「シンブリンピック」を企画し、同じキャンパスにある甲南幼稚園の年長さくら組と一緒に活動した。

3年生はこれまで、授業で新聞記事を切り取って見出しを考えたり、7月、兵庫県養父市の鉢伏高原で行った宿泊体験の思い出を新聞にまとめたり、興味のある記事を切り取り紹介する「シンブリオバトル」を行ったりして、新聞に親しんできた。

シンブリンピックは、選手宣誓や新聞聖火の点灯、新聞記事に載っていそうな人物をあてるクイズなどを通し、幼稚園の年長児がより新聞を身近に感じられるように心がけた。

新聞は読むだけではない。「折ったり丸めたりして楽しむこともNIEの学び」として、「幼稚園のお友だちにも新聞の楽しさを伝えたい!」との思いで、3年生全員でアイデアを出し合い、種目や使う道具を考えた。例えば、新聞を裂いて作ったポンポンは、ダンスや応援、しっぽ取り競技の「しっぽんぽん」に使った。

10月22日、シンブリンピック開会。新聞リレーでは、新聞紙を手に持たず、胸に当てて走った。走るだけで新聞紙が落ちないことを楽しみながら新聞紙をバトン代わりに、リレーを楽しんだ。玉入れでは、各自が新聞紙で作った、形や大きさもばらばらの玉を使った。

兵庫県NIE推進協議会の三好正文事務局長からは、震災時などに役立つ新聞紙スリッパの作り方を教わった。子どもたちは、新聞紙1枚から簡単にスリッパが作れることに驚き、3年生が、積極的に年長児をサポートする姿も見られた。自宅でも保護者と一緒に作ったり、話したりすることで、子どもたち自身、そして家庭の防災意識も高めていけるとよいと考えている。

今回は3年生自らプログラムを考えて取り組んだが、当日も年長児に教えるにあたり、いろいろ工夫する姿も見られ、子どもたちの成長を感じることができた。

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甲南幼稚園の園児たちも「シンブリンピック」までに聖火や玉入れの玉を作って当日を楽しみに待った。製作している間、新聞のインクのにおいをかいでみたり、紙面のイラストや写真を見て興味を示したりしながら新聞に触れてきた。丸めたり、巻いたり、形を自由自在に変えながら製作し、新聞紙を使った遊びの幅の広さを感じられた。

当日は、何をして遊べるのか、朝からわくわくしている様子だった。3年生のお兄さんお姉さんに教えてもらいながら、ゲームやダンスを楽しんだ。

子どもたちは「お姉さんにスリッパの作り方を教えてもらえてうれしかった」「ポンポンでダンスをしたのが楽しかった」「玉入れが難しかったし負けて悔しかったけど、楽しかった」「リレーをまたやりたい」と楽しかった気持ちを伝えてくれた。

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幼稚園と小学校が連携したNIE活動は続く。今後、一緒に新聞をめくりながら、季節を感じられる記事や写真を見つけるなど、新聞の中身に触れる活動も行っていきたい。

「シンブリンピック」などの取り組みについては、来年夏のNIE全国大会神戸大会で実践発表を行う予定だ。

宮尾 友季子(甲南小学校教諭)、山田 陽加(甲南幼稚園教諭)(2024年11月20日)